この記事をまとめると
■アフターパーツの多さはチューニングやカスタマイズを楽しむ上で重要だ
■かつての日産車はさまざまな車種のパーツが流用できた
■現在でも一部車種ではパーツの共通化が行われている
日産車はパーツの流用天国!
愛車をカスタマイズしていく上で、豊富なパーツがあることも重要な要素だ。もちろんマイナー車をオンリーワンに仕上げていく楽しみもあるが、スポーツ走行などを楽しむ場合は部品の選択肢が多いに越したことはないだろう。
そんなユーザーにとって心強い存在と言えるのが日産車だ。とくに90年代に生まれたFRスポーツモデルは部品の使いまわしができることでも知られており、部品の流用が可能とわかったときの感動を当時のCMのキャッチコピーであった「あっ、この瞬間が日産車だね」を用いて表すユーザーも少なくなかった。
ちなみに90年代の日産FRモデルで部品の流用性が高いモデルは、有名どころのスカイライン、シルビア/180SXに始まり、ローレル、セフィーロ、ステージアなどとなっており、これらのモデルは縦置きエンジンのFR車で、フロントがストラット、リヤがマルチリンクの足まわりをもつという共通点があった。
この背景にあるのが、そもそも日産はトヨタとともに1970年代から部品の共通化を進め、それによって低コストで新型車をリリースすることができたこともあり、これらの車種間でエンジンやミッション、駆動系、足まわりといった主要部品を流用することが可能となっていたのだ。
またこれらの車種に搭載されたスポーツ系エンジンは4気筒のCA/SR系か6気筒のRB系に集約されており、車種によっては両方のエンジンの設定があったことで、エンジンの載せ替えなども比較的スムースに行うことができた。
そのため、当時はアクシデントでクラッシュしてしまったプライベーターが、価格の安い低グレード車を新たなハコとして購入し、パワートレインや足まわりを夜な夜なゴッソリ移植する……ということが当たり前のように行われていたのである。
さすがに90年代スポーツモデルが高騰してしまった現在では、ベースとなるハコを購入するにもそれなりの金額を払わなければならない状況となっているが、現在の日産FR車であるスカイラインやフェアレディZ、最近までラインアップにあったフーガなどは長らくFR-Lプラットホームを共有しているため、部品の共有化も引き続き行われている。
もっとも近年のモデルは、90年代のモデルに比べるとはるかに高度で複雑な制御をしているため、パワートレインなどは簡単に移植することは難しくなっているが、いずれ解析が進みパワートレイン換装がなされた車両が登場する日が来るかもしれない。さすがにそこまでの次元になると、プライベートで行うのは難しくなるかも知れないが……。