この記事をまとめると
■農道は土地改良事業の一環として作られている
■あぜ道程度の農道は道路交通法の適用がされないところが多い
■農道ではコリジョンコース現象や脱輪に注意すべき
知っておきたい農道のルールとは
農道という言葉自体は目にしたり、耳にしたことがあるだろう。イメージ的には田んぼの間が舗装されていて、農作業だけでなく、道路としても使えて一般車両も通行が可能。簡単にいってしまえば、あぜ道の立派なものといった感じだろうか。
地方に行くと、それ以外の農道を目にすることがある。それが広域農道や農免農道だ。これらは一見すると一般のバイパスのように見えるが、農道の定義は、まず土地改良法に基づく土地改良事業の一環として作られているなど、法律的な後ろ盾がちゃんとある。
ただ、広域農道はバイパスの意味合いももっているので、いわゆる農道のイメージとは違う部分もある。また、農免道路は広域農道よりも規模は小さく、こちらはガソリンに含まれる揮発油税を使って整備された道路のこと。なぜ揮発油税を使っているのかというと、農家が支払う揮発油税をプラスマイナスゼロにして免除する目的のためとなっている。
広域農道を含めてよく見かけるのが「農作業車注意」「低速車注意」「農耕車優先」などの標識。実際にもトラクターがゆっくりと走っていて、農道であることを実感させられたりする。ただ、これらの標識に法的な強制力はなく、ただ注意を促しているだけとなる。もちろん農作業車は優先させてあげるのがマナーだ。また、クルマが通れるあぜ道程度の農道であれば道路交通法の適用がされないところもある。
ただ、農道あるあるとして、注意したいのが事故。視界がかなり開けているのが農道の特徴だったりするが、十字路での正面衝突が起こりやすい。コリジョンコース現象と呼ばれるもので、田園型事故や十勝型事故(北海道の十勝地方で多発したから)ともいわれる。どういった現象かというと、田んぼや畑のなかの道を走っているとき、進行方向に対して左右から同じスピードで走ってくるクルマがいると止まっていると勘違いして、そのままぶつかってしまうというもの。
実際にぶつからなくても、このようなシーンで不思議な感覚になった人は多いのではないだろうか。防止するには目線を他車から外すなどが有効。ぶつからないはずのところでぶつかるという、農道ならではの事故パターンだけに注意してほしい。また、狭い農道には当然のことながらガードレールはないので、対向車とすれ違ったり、冬に雪で埋もれているときは脱輪に注意したい。