WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

メキシコで「ダッジの新型」を見かけたら中身は「中国車」のOEMだった! 今後世界で「ステルス中国車」が増える可能性あり!! (2/2ページ)

メキシコで「ダッジの新型」を見かけたら中身は「中国車」のOEMだった! 今後世界で「ステルス中国車」が増える可能性あり!!

この記事をまとめると

■メキシコでアメリカにはないモデルが走っているのをよく見かけるようになった

■かつて三菱ミラージュG4をベースにしていた「ダッジ・アティチュード」が広州汽車製モデルがベースになっていた

■世界の自動車市場においていつのまにか中国車が入り込んでいるということが増えそうだ

北米では見かけない車両が走るメキシコ

 アメリカ合衆国とメキシコとの間には、アメリカ側から見れば、カリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサス州にまたがり全長3145kmという長い国境が存在する。

 アメリカと国境を接するメキシコをはじめ中南米諸国、さらには最近では中国からも多いようだが、違法にアメリカへ密入国する人があとを絶たない。トランプ政権下では一部国境に壁の建設を始めるなど、メキシコとの国境に関する諸問題は、全米レベルで治安がかなり悪化しているなかでは、とりわけ問題視する人が多くいると聞く。

 島国の日本に住んでいると陸続きで、ある場所に線が引かれ国境が設けられる環境というものはなかなか馴染まないものだが、筆者はコロナ禍前にはよくカリフォルニア州サンディエゴ近郊から国境を歩いて越え、メキシコ側の国境の街、ティファナへ買い物に出かけていた。

 国境をひとたび越えてティファナに入ると、アメリカ仕様の日本車などのアメリカ以外の外資ブランド車が中古車として流れてきて走っているのだが、筆者が初めてティファナを訪れた30数年前に比べれば、明らかに生活が豊かになっている(貧富の差はあるが)のがわかる。ここのところ、メキシコ向けに輸入されたクルマや、メキシコで生産されたアメリカでは見かけないモデルの新車が走っているのもよく見かけるようになった。

 訪れ始めてからしばらくは、タクシーといえばアメリカで使い古されたシボレーのセダンなどがほとんどだったのだが、その後、日産ツル(7代目サニー)などのメキシコ向けの車両も目立ってきた。街なかには、アメリカでは販売されていない、フランス・ルノー車(ダチアブランドをルノーとしているケース多い)なども見かけるようになった。日系ブランドでは、日産がメキシコでは強みを見せているようである。キャラバンが長い間乗り合いバスとして活用されていることも大きいようだ。

 日本向けはタイ生産のハッチバックのみであった6代目三菱ミラージュ(2023年生産終了)だが、海外では「ミラージュG4」や「アトラージュ」といった車名の4ドアセダンが存在し、いまもラインアップされている(ハッチバックも世界市場ではまだ現役)。

 そして、メキシコではミラージュG4を「ダッジ顔」にした「ダッジ・アティチュード」というモデルがある。先日、別件でメキシコの自動車関係サイトを検索していたら、そのアティチュードが2025年モデルにてフルモデルチェンジしていた。それまでのミラージュG4からカローラセダン(3ナンバーサイズで日本仕様より長くて幅も広い)クラスへランクアップしたと地元メディアで紹介されていた。

 あまり見かけないスタイリングではあるが、メキシコ市場向けに完全オリジナルモデルを開発するということは考えられない。ダッジブランドをもつクライスラーは、現状ステランティスグループ傘下なので、PSA(プジョー・シトロエン)や、フィアット系モデルの顔違いかなとも思ったのだが、いまひとつピンとこない。

 かつて、2015年から2017年という短い期間で、2代目クライスラー200というセダンがアメリカ市場でラインアップされていたのだが、このモデルはアルファロメオ・ジュリエッタの流れを汲む、ダッジ・ダートの兄弟車であった。当時、クライスラーはすでにフィアットグループ傘下で、FCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)となっており、そのアライアンスにより、アルファロメオ車とメカニカルコンポーネントを共用するクライスラー車が存在したのであった。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了