オヤジ世代の青春を支えた「インテグラ」「bB」「キューブ」など名車が次々と消滅! いまハッチバックが減少の一途を辿るワケ (2/2ページ)

世界的にSUV人気が高まってきた

 このSUVが増えてハッチバックが減る傾向は海外でも生じており、たとえばボルボは、ハッチバックのV40を廃止してXC40をコンパクトな車種の主力に据えた。海外でもハッチバックが人気を下げると、日本車メーカーも新型車の開発に消極的になる。

 日本特有の事情としては、軽自動車の増加もある。近年では軽自動車の販売比率が新車として売られるクルマの40%近くに達しており、ハッチバックを含めて小型車からの乗り替えが進んだ。

 とくにいまの軽自動車では、ホンダN-BOXのような背の高いスライドドアを装着するスーパーハイトワゴンが売れ筋だ。全長や全幅は小型車よりも小さいのに、車内はハッチバックに比べて広い。実用重視のユーザーには、背の高い軽自動車が使いやすく買い得で、ハッチバックは需要を奪われた。

 メーカーの車両開発に対する取り組み方も変化した。環境技術の向上などに力を入れるため、日本で販売する新型車の開発に多額のコストは費やせない。そこで商品の種類を絞り込んでいる。

 たとえば日産のハッチバックは、ノートを基本に、上級のノートオーラ、スポーティなノートオーラニスモ、SUV風のノートオーテッククロスオーバーがある。ひとつの車種に複数の仕様を用意して、車種の数を減らし、開発コストを抑える戦略だ。その結果、日産はティーダ、キューブ、マーチ、ラティオ、ウイングロードなどを廃止した。

 以上のようにハッチバックは、SUVや軽自動車の需要増加、メーカーの合理化などにより、売れ行きと車種数を減らしている。同様の理由で、セダンやステーションワゴンも減少している。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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