クルマをぶつけて保険じゃなく「自腹で修理」! どこで直すのが正解か3つのパターンで考えてみた (2/2ページ)

自分で修理できれば費用は圧倒的に安く済む

■いまは出費を抑えたいというケース

 こちらは見栄えや微細な不具合は許容できるので、出費を抑えることを優先したいというケースです。

 いまの社会情勢は先行き不安感が高まっている風潮があり、貯蓄を優先させるという声も多く聞こえきます。なのでできるだけ出費は抑えたいと考える人も多いでしょう。

 この場合、外観でいうと多少の傷はもとより、ピンポイントなヘコミや割れなら「機能的に不具合はなさそうだから、いまは我慢して修理を見送ろう」という判断で節約のポイントを稼いでいるケースがたびたび見られます。なかにはステッカーを貼るなど見栄えをできるだけ落とさない工夫をしている例もあります。

 外観はある程度ガマンすることでしのげますが、悩ましいのは可動部分です。ダメージの度合いによっては走行に悪影響を及ぼすこともありますし、ちょっと修理代をケチったために操縦不能な状況を引き起こしてしまい、大損害を被る、あるいは第三者に与えてしまうこともあり得ます。

 この判断は素人ではとても無理なので専門家に判断を委ねることになりますが、ディーラーでは基本的に中途半端な修理は勧められず、原状復帰のメニューを提案され、費用がフルでかかってしまうでしょう。

 そこで登場するのが民間の修理工場やチューニングショップです。個人経営や中小企業のところは多くの従業員を抱えるディーラーと比べて工賃を低く見積もっているところが多く、財布に優しいと思います。

 しかし、正直いってしまうと巷にはいろんな背景の工場やショップがあるので、修理に対するスタンスもさまざまです。場合によっては、思ったより安くなかったり、作業のクオリティに満足できなかったりと望んだ結果が得られないこともありますが、うまくよいところに巡り会うことができれば、費用もクオリティもディーラーを凌ぐ満足感が得られる可能性は大いにあります。

■工賃はゼロ円。自分で行うケース

 修理代のうち、もっとも大きな部分は補修のパーツ代ですが、けっしてバカにならない割合を占めるのが作業の工賃です。その部分を丸ごとカットできるのが「DIY」です。作業をすべてオーナー自身で行えれば、実質作業に関する出費をゼロ円に抑えることができます。

 ただし、ダメージの度合いと修理をするべきかどうかの判断は自身で行わなければなりません。生半可な知識や経験で安易に判断をしてしまうと、それが原因で事故を起こす確率が高くなり、自身だけでなくほかの人や施設にもダメージが及ぶ危険性が高まります。

 そのため、クルマの修理の判断は、十分な経験と知識を備えていることが前提になるでしょう。

 もしこれから経験を積んで、自分の愛車にかかわる作業を自身で行いたいなら、いきなりハードな作業にチャレンジせず、機能に影響の少ない部分で経験を積むとよいかもしれません。

■その状態で走って大丈夫? 何もしないケース

 クルマをぶつけてそのまま修理をしないで済ませるというケースは、日本では少数派だと思いますが、確実に一定数いるということも、公道を走る機会が多い人なら感じていることでしょう。

 このケースも上のDIYのケースと同様に、そのまま走っても走行機能に支障はないから大丈夫という判断を自身で行う必要があるので、周囲に迷惑をかけないためにはしっかりした知識と経験が必須となります。

 放置は基本的に何もしないので、もちろん工賃はゼロ円ですし、部品代もかからないので出費はありません。経済的にはもっとも節約できるでしょう。

 ただ、端から見ると傷跡が生々しくてちょっと怖い印象を受けることもあり、「なぜ放置しているんだろう?」と気味悪がる人もいるので、もし何らかの理由で放置を選ぶときはその点も留意したほうがいいと思います。

 以上、主な修理時の対処方法を並べてみましたが、いざというときの参考になったでしょうか? こうして並べて俯瞰して見てみると、かかる費用と自分の責任の大きさは反比例していると感じました。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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