いまも昔も若者のクルマに対する情熱は変わっていない
編:それで学生たちを応援していると?
牧野:はい。……というのは理由のひとつで、じつは私はGRさんと一緒になって「フォーミュラジムカーナ」の枠組みを考えたひとりなんです。自動車業界を盛り上げるにはどうしたらいいのかを考えたとき、自動車関連企業にクルマ好きな学生がもっと就職してくれればいいんじゃないかと。だったら企業がクルマ好きな学生をリクルートできる場所を作ればいいのではないか。そんな経緯で誕生したのが「フォーミュラジムカーナ」なんです。
編:なるほど。では、「フォーミュラジムカーナ」に協賛企業として参加してみて、学生さんにどんな印象を受けましたか?
牧野:たしかに子どもの絶対数は減っているだけに、クルマ好きな若者も減っているのかもしれない。でも、触れ合ってみると、自分たちが学生だったころといまの学生たちのクルマに対する情熱は何も変わっていないんです。むしろ、これだけ多様なコンテンツがあふれている時代に、それでもクルマに情熱をもっている若者がこんなにいるんだと驚きました。それだけにクルマ好きな学生さんたちには、興味をもつだけでなく、実際にモータースポーツを体験してもらいたい。全日本学生ジムカーナ選手権大会も開催されていますが、これに参加できる自動車部は全国でもごく一部です。そんな意味でも「フォーミュラジムカーナ」は価値があると思っています。
編:確かにモータースポーツは、見ているのと体験するのではまったく違いますからね。では、「フォーミュラジムカーナ」のリクルート面で質問ですが、これまでに「フォーミュラジムカーナ」が縁で就職された方はいるのでしょうか?
牧野:残念ながら弊社では、まだ実際に就職が決まった学生はいないです。ですが、「フォーミュラジムカーナ」をきっかけに興味をもってくれた方は多いです。我々としても、面接では決して見られない学生の姿を見られるのは大きい。データを分析したり速い人の走りを研究したり、成績がいい学生は何事にも真剣に取り組んでいることがわかります。それでも、モータースポーツは自分だけの力ではなかなか勝利を掴むことはできません。そんなときに力を貸してくれるのが仲間で、そんな仲間を作る力やうまくやっていく能力が備わっているかも見ることができますから、本当によくできたイベントになっていると思います。
編:いい人が見つかるといいですね。今日はありがとうございました。
「アイセロ」のように「フォーミュラジムカーナ」を支援する企業が増えればますますイベントは活況を帯びる。学生たちがモータースポーツする場が増えれば、学生と企業がつながる機会もさらに増える。「フォーミュラジムカーナ」をきっかけに自動車関連企業に就職した若者が、次は学生たちを支援する側となり、イベントが繰り返されれば自動車業界も自ずと盛り上がることだろう。
こう考えると、「フォーミュラジムカーナ」はものすごい可能性を秘めているイベントであることがわかる。今後の「フォーミュラジムカーナ」のますますの発展に期待したい。