昔の高級車もいま見れば「ちっさっ」! どんどんクルマが肥大化するなか絶滅寸前の「5ナンバーサイズ」はやっぱり日本に必要 (2/2ページ)

5ナンバーの乗用車が絶滅するかもしれない

 筆者が長年乗り継いでいるトヨタ・カローラセダンで初めて全幅が1695mmとなったのは、2000年にデビューした9代目であった。そもそも大昔には5ナンバーサイズとはいえ、全幅で枠いっぱい近くになるのは、クラウンをはじめとする上級モデルとなっていた。そのクラウンでもセダンベースでみると、2代目でいったん1695mmとなったが、その後8代目(1987年発売)までは1690mmであった。スバル360の全幅1295mmに比べれば十分ワイドなのだが、いま思うと昭和のクルマは意外なほどいまどきのクルマに比べると狭く小さく見えるのである。

 筆者が自宅近くを歩いていると、フルノーマルで綺麗に乗っている初代いすゞ・ピアッツァによく出くわす。その優雅なスタイルにクルマオタク少年だった筆者も当時魅了されたのだが、いま改めてみると驚くほどコンパクトに見える。

 当時の初代ジェミニがベースとされているのだが、全長4385×全幅1675×全高1300mmとなっており、現行ヤリスより全幅が狭くなっていることで、小さく(細長く?)見えてしまうようである。いまのカローラセダンが全長4495mmなので、単純な表現をすれば「カローラより小さい」ということになる。ピアッツアに限らず、昭和のころに「スペシャルティカー」とか、「ハイソカー」などともてはやされ、少年のころに憧れていたクルマをいま見ると、小さく見えてしまうことに筆者は複雑な想いを感じている。

 カローラセダンが一気に3ナンバーサイズとなったのだが、それでもグローバル版よりは全長は短く、全幅は狭くなっている。それでも3ナンバー化したのは、プレミオ&アリオン、マークXといったカローラよりも格上のセダンが絶版となり、それを補完する目的もあったとされている。

 そんなカローラセダンだが、通算10代目となる初代アクシオで全長が4400mmを超えると、「長すぎて取りまわしに困る」と一部ユーザーから不満が出たそうだ。そのため、通算11代目となる2代目アクシオでは、ヴィッツのプラットフォームベースということもあったのだが、全長を再び4400mm未満にしている。

 5ナンバー、3ナンバーというカテゴリーもあるのか、世界的にもここまでボディサイズにこだわる市場はあまり見かけない。日本ではメルセデス・ベンツGLBの人気がかなり高いとのこと。メルセデス・ベンツ以外でもBMW、アウディといった高級輸入ブランド車でも世界市場に比べると1サイズ小さいモデルが、日本では人気が高いとはよく聞く話。

 ただし、このまま日本国内の新車販売市場の縮小が進んでいけば、日本車であっても日本市場に合わせたモデルはいま以上に「コスパ(コストパフォーマンス)が合わない」として、日本では大きく感じてしまうグローバルサイズのモデルが数多くラインアップされることになりかねない。日本版のスズキ・スイフトは全幅1695mmだが、インド仕様でみるグローバルモデルの全幅は1735mmとなっている。

 このような日本向けに調整する動きは当然ながら数が見込める(一定数以上の量販が可能)からこそなのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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