昔の高級車もいま見れば「ちっさっ」! どんどんクルマが肥大化するなか絶滅寸前の「5ナンバーサイズ」はやっぱり日本に必要 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日本では5ナンバーサイズのクルマが減っている

■かつての高級車もいま見ると小さく見えるほど現行車は大型化している

■世界市場に合わせた車種展開により5ナンバー車が消滅する可能性がある

いつの間にか5ナンバーサイズが絶滅寸前!?

 先日、日産ノートに試乗する機会があった。昨年末にマイナーチェンジを実施しており、メカニズムのブラッシュアップも行われているようで、酷暑のなかでも発電用エンジンは目立って始動することもなく、始動してもそのノイズは車内にはあまり入ってこなかった。試乗車はオプションも充実していたのだが、4スピーカーとなっており(ノートのスピーカー数はMAXで4つ)、装備面ではやや不満は残った。

 実際に販売状況をみると、5ナンバー仕様となるノートはレンタカーやカーシェアリング、法人営業車などのフリートユースが目立つなか、生活圏内の移動がメインとなるセカンドカー的自家用需要も目立つとのこと。そして個人ユースのメインは3ナンバー仕様となる、「ノートオーラ」となっているのである。そして、やはり3ナンバーワイドボディによる、安定した走行性能の高さもウケているのではないかと事情通は話してくれた。

 1695mm(日本ではスペックは5進法で表記)となる5ナンバーサイズのノートに対し、ノート・オーラの全幅は1735mmとなる。その差40mmだが、クルマにおける40mm差は結構大きい。本稿執筆段階で間もなく国内発売される予定のスズキ・フロンクスは、インドから完成車輸入されるコンパクトクロスオーバーSUVとなる。全長は4メートルを切るのだが、全幅は1765mmだ。同クラスで人気の高いトヨタ・ライズは5ナンバーサイズの1695mmなので、こちらは70mm幅が広いことになる。

 昭和のころには5ナンバーサイズばかりだった日本車も、いまや3ナンバー車ばかりとなっている。現行の衝突安全基準をクリアするとなると3ナンバー化やむなしという面は否定できない。「5ナンバーサイズを堅持して衝突安全基準をクリアするのには、3ナンバー化するよりコストがかかると聞いたことがあります。一定数以上量販できなければいたずらに価格上昇してしまうことになるでしょう」とは事情通。

 ただ、5ナンバー車がコンパクトとはいうものの、全長はともかく全幅はすでにマキシマムサイズの1695mmとなっているモデルばかりである(5ナンバー車の全幅要件は1700mm未満)。現行販売車で1695mmより全幅が狭いのは、スズキ・クロスビー(1670mm)、スズキ・ソリオ(1645mm)、スズキ・ジムニーシエラ(1645mm)と、スズキ車が目立つが、実際はかなり少数派となっている。

 登録車で販売トップ常連のトヨタ・ヤリスの寸法は全長3950×全幅1695×全高1495mmとなっている。国内ではヤリスの前身となる、ヴィッツの初代(1999年デビュー)では、全長3610×全幅1660×全高1500mm、そのヴィッツの前身となるスターレットの初代(1978年デビュー)では全長3680×全幅1525×全高1380mmであった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報