ただのスパルタンマシンじゃなく「フロントガラスすら不要」なエアシステムを採用! 全世界249台限定の究極のマクラーレン第5弾「エルバ」の驚くべき中身 (2/2ページ)

ウインドウスクリーンを装備したモデルを追加

 安全システムとしては、ロールオーバー時に自動的に展開する、ロールオーバープロテクションシステムが標準装備されるほか、サーキット走行を楽しみたいカスタマーのためには、6点式シートベルトをオプションで選択することも可能とされた。

 ミッドに搭載されるエンジンは、セナやスピードテールと共通の4リッター V型8気筒ツインターボ(M840TR型)だが、その最高出力はセナ比でプラス15馬力の815馬力にまで強化されている。エキゾーストシステムはチタンとインコネルで作られており、これもまたエルバの軽量化には大きく貢献しているパート。一方、は電子油圧式のパワーアシストを備え、実用性を高めている。

 エルバのデリバリーは2021年に、まず中東市場から開始され、同年にはすでに発表されていた、フロントのウインドウスクリーン付きモデルの生産も開始された。これはそもそも物理的なフロントウインドウスクリーンを好むカスタマーのためであると同時に、一部輸出国の法的な規制を満たすためのモデルで、車重はワイパーやガラスヒーターなどの装備に伴い、スタンダードな仕様よりも約20kg増加することになったが、結果的には249台のエルバのなかで149台がその仕様で生産された。

 0-100km/h加速を2.8秒で、また0-200km/h加速においても6.7秒でそれを終了するマクラーレン・エルバ。その最高速は335km/hとこれもまた魅力的な数字。

 一連のアルティメットシリーズのなかでも、もっともスパルタンな趣に満ち溢れたエルバ。その存在はいまでも多くのマクラーレンファン、そしてハイパーカーファンの心を捕えて離さない。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
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