発売されたら1000万円超えはほぼ確実
一方、サーキット走行における安全性の向上を目指し、室内にはロールケージを装着。もともとリヤシートがあったスペースにはカーボン素材によるフロアが新設され、タイヤを組んだ状態のホイールを4本収納できる。サーキット走行を楽しむオーナーにとって、極めて実用的な設計といえるだろう。
そのほか、リヤアンチロールバーや、15mmのローダウンを実現した専用サスペンション、6ポットの専用ブレーキキャリパーや大径ブレーキローターなどを装着。タイヤはサーキット走行を重視し、ピレリ製Pゼロ・トロフェオRを組み合わせている。サイズは265/30ZR19で、ベースモデルから変更はない。
さらに、レスオプションとしてエアコンを排除することも可能で、ノーマルのインテグラ タイプSに比べて最大200ポンド(約90.7kg)の軽量化を実現した。
印象的なボディカラーはインディイエローパールで、惜しまれつつ生産を終了した第2世代NSXに設定されていたもの。車体の前後および左右フェンダーにはHRCのエンブレムも装着されている。
そして、イエローカラーはインテリアにもアクセントとして取り入れられており、アルカンターラ生地を採用したステアリングやフルバケットシートのステッチ、シートベルトなどもイエローで統一されている。
現時点ではあくまでプロトタイプであり、残念ながら詳細な車両スペックや発売時期、車両価格については明らかになっていない。とはいえ公開された写真を見るに、インテグラタイプS HRCプロトタイプはすぐにでも市販が可能と思えるほどの完成度だ。
2025年モデルのインテグラは、標準グレードが3万3000ドル(約495万円)。最上位グレードのタイプSは5万2600ドル(約789万円)からとなっている。ここから推測すると、HRCプロトタイプが市販された場合の車両価格は、およそ6万5000〜7万ドルといったところだろうか。
北米市場専売モデルであるインテグラが日本市場へ導入される可能性は限りなくゼロに近いけれど、同様のコンセプトで作り上げた「シビック タイプR HRC」の登場に期待したい。