見た瞬間バカ売れ確定! 新型スペーシアギアはさすがの装備と値段で勝負!! (2/2ページ)

”ギア”なら痒いところに手が届く!

 しかし、エクステリアと内装のカラーマテリアルではスペーシアギアらしいオリジナリティが加えられている。

 先代モデルから受け継ぐ「無骨かわいい」エクステリアは、丸目ヘッドライトや縦にメッキ加飾を置いたフロントグリル、スキッドプレートの備わるフロントバンパーが特徴。これにより、ひと目でスペーシアギアとわかる新しいフロントマスクを表現している。

 そのほか、ルーフレール、ドアガーニッシュ、サイドアンダーガーニッシュ、リヤバンパーなどでもSUVテイストを表現。足もとは専用デザインの14インチアルミホイールが標準装備となっている。サイドドアエンブレムや「GEAR」のロゴなどにオレンジのさし色を入れているのは道具感を引き立てる表現だ。

 インテリアは、アウトドアテイストのカーキグリーンをベースに、エクステリアでも印象的だったオレンジをアクセントに利用したスペーシアギアだけの空間を演出。遊びゴコロと機能性を両立した撥水シート地にもオレンジステッチが入るほか、運転席の背面にはオレンジ地のシートバックタグを装備。内外装のデザインキーワードである『タテヨコナナメ』とスペーシアギアのアイコンを組み合わせたタグは、冒険心をかき立ててくれる。

 また、デジタルメーターについても基本構成はほかのスペーシア・シリーズと共通ながら、オレンジのドット模様を加えることでギアらしさを表現しているのは注目したい。

 さて、スペーシアギアのエクステリアをよく見ればわかるように、ボンネットやフェンダーといったプレス部分は、標準系スペーシアと共通となっている(ちなみにカスタム系は専用ボンネットやフェンダーを採用)。撮影車両が履いていた155/65R14タイヤの銘柄はダンロップ・エナセーブEC350+で、これも標準系スペーシアが履いていると同じ銘柄だ。

 ただし、スペーシアギアにはターボエンジンのマイルドハイブリッドが用意されている。ヒーター付き本革巻ステアリングホイールや6スピーカー、アダプティブクルーズコントロール、電動パーキングブレーキの標準装備といった内容は、スペーシアカスタムの上級グレードと共通といえる。

 スペーシアカスタムではターボエンジンは15インチタイヤとのコンビネーションとなっているので、ターボエンジン+14インチタイヤはスペーシアギアだけの設定だ。

 気になるメーカー希望小売価格は、NAエンジンの「HYBRID XZ」が195万2500円(FF)/207万2400円(4WD)となり、ターボエンジンの「HYBRID XZターボ」は203万7200円(FF)/215万7100円(4WD)となっている。

 なお、スペーシアカスタムの上級グレード「HYBRID XS」系のメーカー希望小売価格は、NAエンジンが199万5400円(FF)/211万5300円(4WD)、ターボエンジンが207万3500円(FF)/219万3400円(4WD)であるから、おおよそ4万円前後はスペーシアギアのほうが安価という計算になる。

 フルモデルチェンジ以来、想定以上の人気ぶりが話題となっているスペーシアカスタムと、もはや軽スーパーハイトワゴンには欠かせない存在となったSUVテイストのスペーシアギアは、まったく異なる個性なので、どちらを選ぶか迷うというユーザーは少ないかもしれないが、新型スペーシアのラインアップ全体を見ると、スペーシアギアは最安値のターボ車を用意するバリエーションとなっているのも事実だ。

 タッチの柔らかい14インチタイヤと、エンジン&モーターともパワフルなマイルドハイブリッド・ターボの組み合わせは、新しいスペーシアギアにSUVらしい余裕の走りを表現していることが期待できる。はたしてどんな乗り味を実現しているのか、試乗する日が楽しみだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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