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昭和オヤジには見慣れた「高速の標識文字」が様変わり! 40年以上使われた手作りの「和文公団文字」が終わりを迎えていた (2/2ページ)

昭和オヤジには見慣れた「高速の標識文字」が様変わり! 40年以上使われた手作りの「和文公団文字」が終わりを迎えていた

この記事をまとめると

■高速道路の案内標識に使用されるフォントは一般的なモノとは異なる

■標識が緑色なのは暗い場所での視認性がよかったことに由来する

■かつての文字は手作業で作っていたが最近では「ヒラギノW5角ゴシック体」が使われる

標識にまつわる裏話

 ふだん何気なく見ているものも、何かのきっかけでちゃんと注意して見てみるといろんな発見や新たな疑問が湧いたりします。

 ドライバーの環境では、たとえば信号機などはいい例でしょう。設置の現場を見たことがある人は実際のサイズが想像の1.5倍くらい大きい(横幅で125cm・LEDタイプは105cm)ことは知っているかもしれませんが、信号機の色の並びがどのような規則になっているのかを自信をもっていえる人は意外と少ないでしょう。

 正解は左から青>黄>赤の順に並んでいます。これは日本全国で共通です。

 同様に、道路標識についても知らないことは多いのではないでしょうか。

 職業ドライバーなら毎日少なくとも数十枚は見ているであろう道路標識について、ここではその視認性のカナメになっている表示フォントに注目して紹介していきましょう。

※今回はフォントについて掘り下げるための参考としてNEXCO中日本の広報部に話を伺いました。

■フォントの前に標識の概要について紹介

 ひとくちに道路標識といっても、その用途によっていくつかの種類があります。道路標識は大きくわけて「本標識」と「補助標識」にわけられます。そのうちの「本標識」は「案内標識」と「警戒標識」と「規制標識」と「指示標識」の4つにわかれています。

「規制標識」と「指示標識」は道交法のルールを伝えるものなので、交通管理者=警察の管轄内にある都道府県公安委員会が管理をおこなっています。「案内標識」と「警戒標識」に関しては道路管理者、つまり国や都道府県、高速道路会社などの管轄で管理されています。

「案内標識」というのは目的地や通過地の方向や距離、道路上の位置を示す目的のもので、目標地までの経路を案内する「経路案内」、現在地を示す「地点案内」、待避所・パーキングなどの附属施設を案内する「附属施設案内」の3種類があります。

 今回紹介する道路標識がこの「案内標識」です。ご存じのように一般道は青の色使い、高速道路は緑色の色使いで統一されており、それぞれの区別を認識しやすいように工夫されています。

「警戒標識」は交差点の種類や踏切、スクールゾーンなど、危険が存在する可能性に注意を促すためのもので、基本的に黄色がベースとなっています。

「規制標識」は、通行止め、追い越し禁止、指定方向外進行禁止、転回禁止など特定の交通方法の禁止や、速度、高さ、重量など特定の方法に従って通行するよう指定したりするのが目的の標識です。

 ザックリと禁止系が赤色、規制、指定系が青色の色使いというのがセオリーです。

「指示標識」は、自転車横断帯や横断歩道、停止線や規制予告など、通行上守るべきルールがある場所を示すための標識です。色使いは基本的に青ベースになっています。

「補助標識」はその名前の通りに「本標識」(主に規制標識)を補助、細かくするのが役割の標識です。白地に黒文字で、場所や時間帯などを知らせます。

■高速道路の案内標識が緑ベースになったワケ

 高速道路の標識は緑、一般道路の標識は青だということはほとんどのドライバーが知っていることだと思いますが、ではなぜ高速道路には緑が使われているのでしょうか?

 その理由は認識性の高さにあります。

 高速道路の標識に関するさまざまな決めごとは、昭和38年に日本で初めて開通した名神高速道路の運行のために「日本道路公団(現NEXCOの前身)」によって色使いや表記法、デザインなどが定められました。

 定められたといっても当時の日本はまだクルマ社会の後進国であったため、すでに運用されている欧州やアメリカの標識が参考にされたそうです。

 当時は欧州の主要国が青系主体で、アメリカが緑系主体でした。どちらも視認性に優れる色使いで説得力があったため、最終的には両方を高速道路の走行シチュエーションで実験し、ライト照射時の見え方などを検証した結果、高速道路は緑、一般道は青となったそうです。

 ちなみに運営団体が別々のためか、同じような緑を使っているのですが、首都高速とNEXCO系3社の使う緑は、その色味が若干異なるそうです。

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