かつての路線バスの運転士は鉄拳制裁アリの体育会系社会だった! いまや穏やかな業界になるも「なり手」不足に悩むワケ (2/2ページ)

バス運転士は働き手がとにかく少ない

 老舗バス事業者ほど、「バス愛」の強い人が働いているケースが目立つ傾向がある。そして、新規事業参入した高速路線バス専門事業者などはその逆で、経営陣も運転士もビジネスと割り切っている人が目立っている(もちろん全員がそうというわけではない)。老舗バス会社はその地域のまさに「顔」、長年地域の人の移動手段としてバスを運行し、公共交通機関としての社会貢献意識がかなり高い。そして、そこで運転士などで働くことはある意味「名誉」でもあるのだ。

 ここ30年、バス運転士の給与はその仕事内容に比べていわゆる「コスパ(コストパフォーマンス)の悪いもの」となってしまった。その理由にはさまざまなものがあるが、「好きな仕事だから」という意識があまりに高かったからこそ、我慢してしまったという部分も否定できないだろう。

 かつて貸切観光バスも用意していた事業者では、新人運転士として入社し、一般路線バスで運転士としての技量を高め、それが会社に認められ貸切バス運転手になるのがバス運転士のステップであったが、いまどきでは必ずしもそこをめざす運転士ばかりではないとのことである。

「聞いた話では、社員旅行を手配するときには旅行代理店の見積りには、バスガイドやバス運転士への「心づけ(チップ)」が含まれると聞いたことがあります。市内観光バスでは、利用した個々のお客からチップをもらうこともあるそうです。だからというわけではありませんが、それも貸切バス運転士の魅力のひとつともいっていいでしょう」(事情通)

 そんなバス運転士だが、ご存じのとおり働き手不足で困っている。働きたいと思う人が少ないこともあるのだろうが、事故の危険などを理由に、家族など周囲の人の反対も大きいと聞く。そのため、事業者のなかには保有車両に後付け安全装置の装着を積極的に行うなど、まず働く環境の整備を進める動きが目立ってきている。

 とくに一般路線バスでは賛否はあるものの、自動ブレーキすら標準装着されていない状態で、複雑な道路環境のなかでバスを運行している。運転士の多くがバス好きであり、そのような人の運転技術などの向上心や仕事に従事する社会的使命感などに、ある意味頼り切っていた部分もある運行事業者や我々利用者。しかしいま、サラリーマン的に仕事として割り切って運転士となる人が多くなってきていることが、バス運転士の労働環境改善を加速させている。そんな傾向は筆者の目にも映っている。

諸元表
車名 ---
グレード ---
全長×全幅×全高 (mm) ---×---×---
ホイールベース (mm) ---
トレッド 前/後 (mm) ---/---
車両重量 (kg) ---
パワーユニットタイプ ---
排気量 (cc) ---
最高出力 (kW[ps]/rpm) ---
最大トルク (Nm[kg-m]/rpm) ---
駆動方式 ---
トランスミッション
サスペンション 前/後 ---/---
ブレーキ 前/後 ---/---
タイヤサイズ 前/後 ---/---
JC08モード燃費 (km/L) ---
価格 (万円・税込) ---

小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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