やってみた動画に触発されて愛車をセルフメンテ! 一歩間違えると起こる「大惨事」の事例とは (2/2ページ)

走行に関わる部分だけに最新の注意をはらいたいホイールの脱着

●ホイール脱着に潜む悲劇の例

 ホイールの脱着時にも、いろいろ気をつけていただきたいポイントがありますが、ここではよくあるトラブルのケースを紹介します。

その1)あわやクルマの下敷きに!

 ホイールの脱着をする場合はタイヤを浮かすためにジャッキアップが必須です。このジャッキアップのやり方がまずいと思わぬトラブルを招くので注意してください。

 初めてジャッキアップを行うときに迷うのがどの場所をもち上げたらいいかということだと思います。この場所選びをを失敗すると、ジャッキが外れて車体が落下してしまい、大怪我を招いてしまうことがあるんです。

 その場所については各車両ごとに異なるので、ここでは省きますが、車体を揺すっても確実に脱落しないポイントを見極めることが重要です。そして、車体に力が掛かるような作業をする場合は、ジャッキだけでなく必ず「ウマ」という台で支えるようにしましょう。

その2)ハブボルトが折れてホイールが脱落!?

 ホイール脱着で起こり得るトラブルをもうひとつ紹介しておきます。それは交換後の走行でそのホイールが脱落してしまうケースです。正直、めったに起こることではありませんが、起こってしまったら大きな事故に繋がる可能性が高いので、交換を行うときには意識してほしい内容です。

 ホイールが脱落してしまう原因は、ホイールナットの締め込み方が合っていないというのが多くを占めると思います。ホイールナットは緩くても締め込みすぎてもダメです。

 締め込みが緩いと走行の荷重や振動で緩みが進み、最終的に外れてしまいます。一方で、締め込みすぎるとハブボルトが伸びてしまいます。伸びた状態で走行による力が加わると、破断する可能性があります。

「外れたのが一本だけならまだ3(または4)本あるから大丈夫でしょ」という考えがあるかもしれませんが、4本で支えていたところ1本が外れると、中心がズレた三角形で支える状態になります。そうなるとホイールに微妙なガタつきが生じ、それによってほかのナットが徐々に緩む可能性がグッと高くなってしまいます。すぐに脱落はしませんが、振動が出たりして、放置すると最後には脱落してしまいます。

 高速道路でそれが生じると、車体のコントロールができなくなって事故を起こしてしまう可能性が高いでしょう。外れた車輪でほかの車両や道路の設備に損害を与える可能性も考えられます。

 速度が遅いとダメージは少ないと考えがちですが、状況によっては歩行者に損害を与えかねません。

 そうならないようにホイールナットを適正なトルクで締め込むにはどうするかですが、自力で行いたいならトルクレンチという、締め込むトルクを教えてくれる工具を使いましょう。

 わざわざ専用工具を購入したくないということなら、締め込みすぎないように注意して自分で締め込んでから、なるべく近くのガソリンスタンドやタイヤ専門店など、整備のプロがいるところで締め込みだけお願いしましょう。

 自信がない場合は最初からショップに任せたほうがいいかもしれません。

 以上、DIYでの整備で起こり得るトラブルについて紹介しました。クルマの整備は方法を間違うと事故を招く恐れがあるため、注意喚起的な内容になってしまいましたが、自身で整備を行うと愛車の状態や構造を知ることができるので、その面ではぜひ行ってほしいとも思っています。

 初めて整備に挑戦するときは、経験者の指導のもとで行うのが間違いないでしょう。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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