重さとバッテリー容量で苦戦の連続も開拓することに意義がある! アウトランダーPHEVでラリー北海道に挑む猛者がいた!! (2/2ページ)

重い車両重量と限られたバッテリー容量に悪戦苦闘

 その一方で、前例のないマシンとなるだけにドライビング面での苦労も多く、「車両重量が重いので登りのステージはなかなか前に進まないんですよね。それにロングステージではバッテリーがオーバーヒートしてセーブモードに入ってしまうのでトラクションがかからない。チャージモードにして、回生を利かせながら走っているんですけど、それでもロングステージではバッテリーがなくなってしまいます。昨年もステージ上でオーバーテイクされまくって泣きそうになりました」と長谷川選手。

 それでも「今年もロングステージがあるので、無理をせずに抑えて走ろうと思っています。ストレスは多いと思うけれど、そのほうが速いかもしれません」とのことだ。

 こうして114号車「ハセプロトーヨータイヤGNアウトランダー」で参戦2戦目を迎えた長谷川選手/厚地選手だったが、ペースは上がらず、終始、XC-2クラスで6〜7番手タイムあたりを走行。「ショートステージでも、チャージモードにして走らないとバッテリーがなくなるんですけど、1年ぶりに乗ったので忘れてしまって……。途中でバッテリーが切れてまったくパワーがない状態になりまして、5台ぐらいにラップされました。長いことラリーをやってきたけれど、ちょっと心が折れかけてリタイヤしようと思いました。あとは車両重量が2トンを超えているので、ブレーキも厳しくて、ダウンヒルではフェードしていました」と長谷川選手。

 それでも114号車「ハセプロトーヨータイヤGNアウトランダー」はXC-2クラスの7番手で7日のレグ1をフィニッシュした。

 翌8日のレグ2でも長谷川選手/厚地選手の114号車「ハセプロトーヨータイヤGNアウトランダー」はSS9で6番手タイム、SS10で8番手タイムと苦戦の展開。それでもSS11では5番手タイムをマークするなどペースアップを果たし、XC-2クラスの7位でフィニッシュした。

 このように、いち早く三菱アウトランダーPHEVをラリー競技に投入しながらも、ニューマシンゆえの苦労を重ねてきた長谷川選手/厚地選手だが、「噂ではアウトランダーPHEVが近々マイナーチェンジを迎えるようなので、バッテリーを含めてよくなっているようなら、次期モデルで競技車両を開発してラリー北海道にチャレンジしたい。バッテリーの問題がクリアしていれば、アジアのクロスカントリーラリーにも挑戦したい」と長谷川選手は意気込みを見せているだけに今後の動向に注目したい。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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