結果同じ金額でも「オプション総額」が高いとユーザーは腰がひける! トヨタが売れる理由のひとつに「ディスプレイオーディオ」の標準化がある (2/2ページ)

必須アイテムとなったものを標準装備化していくトヨタの賢い戦略

 また、ドライブレコーダーやETCでは、標準装着となるのであと付け感がないということもトヨタ車にお客を惹きつけているのではないかと事情通は語ってくれた。

 カーナビの販売や取り付けは、新車ディーラーの有力な収益源にもなっている。トヨタ以外のメーカーと、メーカー系ディーラーでは長年の商慣習のようなものからなかなか脱却できていないとも表現できるし、カーナビのディーラーでのあと付けは、コネクティビティ面でも日本車の対応への出遅れが一部でささやかれる背景にあるのではないかと筆者は考えている。

 もちろん、トヨタ以外のメーカーでもメーカーオプションでビルトインタイプのコネクティッドナビを用意しているので、選択肢としてディーラーオプションを残すことはいいのだが、セールスマンの心情からいけば、より自分の会社が儲かるディーラーオプションを勧めてしまいがちになるのは仕方ないことなのかもしれない(ディーラーオプションナビにもコネクティッド機能付きのものはある)。

 カーナビもドライブレコーダーもETCも義務装着ではなく任意装着なのでオプション扱いとするのが原則なのかもしれない。ただ、装着されていて邪魔なものでもない。オプション総額が高額になってしまうと、購買意欲もなかなか高まりにくい。車両価格は当然本来オプション扱いの機能を標準装備すれば高めになるだろうが、「これだけついていてこの価格か」という割安感さえ失わなければ、さまざまな装備の標準装着化は販売促進向上につながるのではないかと考えている。

 もちろん、カローラクロスなどのように、半ば「レス仕様」とも呼べる廉価グレードを設定しておけば、必要ないと考える人はそちらを選ぶはずである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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