ナリは小さくても華も個性もテンコ盛り! デザインのプロが挙げるダイハツの名デザイン車5台 (2/2ページ)

グッドデザイン賞を受賞する実力派も

●いまやダイハツのイメージリーダー的な存在に

 3台目は、お約束の?初代のコペンです。1999年の東京モーターショーに出品されたKOPENコンセプトの評判を受け、3年後の2002年に市販版の登場となりました。

 お椀型の親しみのあるフォルムは、オプティで試行したロングライフデザインの発展型とされ、余計な装飾のない超シンプルな佇まい。丸型2灯ライトとV字のキャラクターラインは前後で相似形とされ、非常に明快なデザインテーマが伺えます。また、インテリアを含めた作りのよさが唯一無二の存在感に。

 昨年のジャパンモビリティショーでは同一テーマのビジョン・コペンが出品され、ダイハツにとっていかに初代が大切な存在なのかが伺われました。もし復活するなら、十分に練り込まれたスタイルを期待したいところです。

●肩の力を抜いた個性的カジュアルコンパクト

 次に紹介したいのは、エッセです。軽自動車が高機能な装備や高級な作り込みに邁進するなか、軽としての本質を見つめ直すことを掲げ、2005年に登場しました。

「シンプルでおしゃれなカジュアルミニ」のコンセプトのもと「簡単・便利」をデザインテーマとしたボディは、肩の力を抜いた柔らかい面が特徴の台形スタイル。下半身のパネルを豊かに張り出させることで、高い安定感を得ています。

 プレスドアによるシンプルさと高いカタマリ感も特徴ですが、フロントに開けられた9つの「穴」がちょうどいいアクセントにも。時代に先駆けたアースカラーのボディ色も含め、ストーリアに続くグッドデザイン賞受賞も必然だったように思えます。

●軽の制約を感じさせない超スタイリッシュボディ

 最後に選んだのは、4代目のムーヴです。軽のパッケージ革命を起こしたスズキのワゴンRに対抗するカタチで登場した同車ですが、4代目は2006年の登場となりました。

 クラスを越えた新しい次元を目指し、「軽のセルシオ」を標榜したというボディはプラットホームを一新。先代までと大きく異なる美しいワンモーションフォルムを実現しました。キリッとしたフロント、シンプルなキャラクターラインのサイド、面一感の高いシャープなテールランプなど、見所は多数に及びます。

 初代がI・DE・A、2代目がジウジアーロとイタリアのカロッツェリアに縁がある同車ですが、この4代目もじつは……なんてウワサもあるようですね。

 さて、今回は歴代ダイハツのグッドデザイン5車を選んでみましたが、とりわけ「We do COMPACT」の90年代後半を中心に、欧州コンパクトに負けない個性を追求していた姿勢が伺えます。ライバル云々ではない、その高い志を今後も期待したいところですね。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

愛車
いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
趣味
オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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