巨大自動車メーカー同士の「提携」はナゼ起こる? それぞれで独自のクルマを開発するなか「何が共有」されるのか (2/2ページ)

知能化に対してはメーカー間での主導権争いが続く

 もうひとつ、共通化で重要視されている知能化については、リーダーとフォロワーという発想とは少し違う。いわゆるデータプラットフォームを共有化し、知能化に対する大きな土台作りをするイメージだ。

 そうした協調領域が、具体的にどこまで広がるのか、まだハッキリしない。ほかのアライアンスのデータプラットフォームと共有化するのか、それとも部分的な共通化にとどめるのかなど、メーカー(アライアンス)間での主導権争いが活発化している状況だ。

 一方で、自社で14のブランドをもつステランティスの場合はどうか? こちらは、技術や部品の共通性が前提となっているが、まだ道半ばといった印象がある。これまでは、ブランドそれぞれの個性を際立たせるためにさまざまな施策を打ってきた。たとえば、特化したユーザー向けの限定モデルの積極的な導入がある。

 つまり、ステランティスは「リーダーとフォロワー」ではなく、「選択と集中」といったイメージのビジネス戦略だといえるだろう。

 こうしたルノー・日産・三菱アライアンス+ホンダや、ステランティスのように、今後は多様なブランドの集合体同士が生き残りをかけて激しい競争を繰り広げながら、場合によっては手を結ぶことになりそうだ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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