好きにイジッて楽しんで……ってトヨタらしからぬ型破りっぷりで大人気! 後にも先にも「初代bB」みたいなクルマはナシ!! (2/2ページ)

改良を重ねてより個性的になっていった初代bB

 2000年12月には、ベースとなったファンカーゴとはまったく別物の攻めたコンセプト、多田さんの遊び心(!?)から、早くも一部改良を受け、EDB付きABSを標準装備するとともに、特別仕様車としてこれまたアメリカンなマジョーラカラーのエメラルドスぺクトラシャインに塗られた「マジョーラ」が登場している。

 デビューの翌年、2001年6月にはピックアップ風の荷台を持つオープンデッキが登場(エンブレムはbBではなくOD。2001年6月~2003年3月)。さらに、2002年1月には特別仕様車Z煌(きらめき) Edition・X Versionが登場。ステンレス製パーツや金属調塗装を用いたフロントグリルなど、純正ノーマルモデルにしてカスタマイズ色を強めた、これぞbB!! というモデルであった。

 2003年4月のマイナーチェンジでは、前後バンパーの大型化、アンダースポイラーの装着、フロントバンパーグリルのメッシュ化を始め、インテリアではステアリング、センタークラスターのデザインが変更され、カップホルダーに照明を追加。カップホルダーの照明は、「クルマ型MUSIC PLAYER」をコンセプトにした2代目bB(ダイハツブランドでは「クー」を名乗る)のクラブチックな光の演出を先駆けたものといっていいかも知れない。※クラブといってもおねーちゃんが接待するクラブではなく、DJのいる若者向けの踊るためのクラブのほうである。

 bBに乗り込んでみれば、トールボックス型デザインのボディゆえに、室内空間は広々。後席にしても、アップライトなシートレイアウトながら天井が高く、頭上、膝まわり空間ともにゆったり。ただし、シートクッションは平板で、あくまで前席優先のパッケージ、考え方だったようだ。また、走行性能はエンジンのレスポンスのよさもあり、街なかをそこそこキビキビ走ることができ、乗り心地もしっかり快適。高速走行も不満なくこなしてくれた印象がある。

 その後も特別仕様車を続々と登場させ、2005年7月に登場した特別仕様車「S W Version・HIDセレクションII」・「Z HIDセレクションII」を最後に、2005年11月に生産を終え、翌12月に販売終了。新たに当時のトヨタ・バッソ、ダイハツ・ブーンのプラットフォームを用いた2代目bBへと引き継がれることになる。

 いずれにしても、初代bBは当時のやんちゃな!? 若者だけでなく、ちょい悪なオヤジたちにも大ウケ。カスタマイズの楽しみ、デートカーとしての使い方を思う存分味わせてくれた、トヨタ車としては遊び心をめいっぱい詰め込んだユニークすぎる1台であった。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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