この記事をまとめると
■インドネシアは急速な近代化が進んでおりBEVの路線バスもここ数年で増加している
■GIIAS2024の会場では数多くの中国製BEVバス・BRTバスが展示されていた
■日本国内でBEV路線バスの発売をはじめた日系バスメーカーの今後の展開に注目
ジャカルタの象徴になりつつあるBRT
筆者は新型コロナウイルスが爆発的に感染拡大し、気軽に海外へ行けなかった時期を除けば、ここ15年ほどは年に1度、自動車ショーの取材でインドネシアのジャカルタを訪れている。インドネシアでは現在、ジャワ島にある首都ジャカルタから、カリマンタン島のカリマンタン州に「ヌサンタラ」と名付けられた新首都へ2045年までに完全に首都移転すべく建設工事が進められている。ジャカルタ市への一極集中を避けるといった理由で首都移転を進めているのである。そのジャカルタは、首都の完全移転のタイミングまでに、ジョコ・ウィドド大統領がインドネシアの先進国入りを表明している。
筆者が訪れはじめたころでも、インドネシア中心部には近代的な高層ビルやショッピングモールなどもあったが、その眼下には三輪タクシーや露店がひしめき合うといった、「新興国あるある」的な雑多な風景が広がっていたが、2018年にインドネシアで「第18回アジア競技大会」が開催されると、メインストリートから露店が排除され、三輪タクシーの走行できる道路が制限されるなど、急速な近代化が進んだ。
そのような近代化の進んだジャカルタを象徴する乗り物としては、トランスジャカルタが運行しているBRT(バス高速輸送システム)がある。コロナ禍に入る直前に、一部区間でインドネシア初となる地下鉄が開業しているのだが、営業区間がまだ限定的で、実用性というよりは「初めての地下鉄」というアトラクションのような存在となっており、ジャカルタの新しい観光スポットと化しているのが現状。
BRTといっても部分的に一般車両用道路を走るので、渋滞に巻き込まれたりするが、基本的には整備された専用道路を走り、鉄道のような自動改札を抜けた先のプラットフォーム(いわゆるバス停?)から乗降することになっている。