バネ下重量の軽量化にも貢献
2ピースローターのメリットはふたつ。
まずは、パッドと擦れる部分だけを別パーツとすることでそこだけが熱膨張するようになる。ブレーキディスクは円盤なので、熱膨張しても均一に大きくなって歪みにくくなる。そして、このベルハウジングとローターの接合部にある程度の隙間を持たせたりすることで、熱膨張を吸収できるようにしている。がっちりと固定すると温度が低いベルハウジング部はそれほど膨張せず、ローター部だけが膨張していくので、その差によって歪みやすい。それを防ぐことができる。
もうひとつのメリットは、ベルハウジング部はそれほど耐熱性が必要とされないので、鋳鉄ではなくアルミで作ることができる。これによりバネ下重量を大幅に低減することができるのだ。
さらにユーザーメリットとしては、ローターが摩耗してもその部分だけ交換し、ベルハウジングは再利用できるのでランニングコストを下げることができるのもメリット。
2ピースローター自体は高価だが、サーキット走行などでローターが減りやすく何度も交換するのであれば、ローター部だけ交換できる2ピースモデルのコスト的なメリットが生まれてくるのだ。
現在、アフターパーツメーカーでは、1ピースローターと2ピースローターの両方をラインアップしている車種も多い。サーキットをガンガン走らないなら2ピースローターにするコスト的なメリットはあまりないが、それでもバネ下重量を軽くできるという利点はある。そういう意味で街乗りメインでも2ピースローターを選ぶのも悪くない。