世界記録を塗り替えたのも魔改造されたホンダ芝刈り機だった
ところで、イギリス人のジョークはフレーズを繰り返したりする「くどい」ものが多いことで知られています。この「くどさ」「しつこさ」が彼らの特徴でもあるのですが、ホンダモーターヨーロッパもまたしつこいくらい芝刈り機の世界速度記録にこだわっていたのです。
なんと、2018年にヨーロッパでのホンダ芝刈り機が発売40周年を迎えたということで、Mean Mower V2なる二代目マシンを製作し、記録へと挑戦したのでした。
二代目もまたダイナミクスが製作を担ったのですが、今度はさらなるスピードのためにエンジンを強化。またもやバイクのCBR1000RRに搭載されていた999ccの直4DOHCエンジンをチョイスして、初代から80馬力アップの189馬力をゲット!
「総重量140kgのMean Mower V2に200馬力近いウェイトパワーレシオはブガッティ・シロンと等しい」とかなんとかホンダヨーロッパもいってますが、冗談にしてはかなりの獰猛っぷり。
果たして、0-160km/h加速6.29秒、最高速は243km/hという、一流スポーツカーの仲間入り決定ってくらいの記録(笑)。もちろん、初代と同様に芝刈り機能はそのまんまですから、お家の芝も最速できれいに整うこと間違いなし。
ただし、記録をマークしたドライバーはイギリスでも有名な女性スタントドライバー、ジェシカ・ホーキンズですから、運転の腕前に自信のない方はノーマルのHF2620が無難といえば無難でしょう。ちなみに、彼女もコース脇の芝を勢いよく刈って見せて、本当に芝刈りのできるマシンであることも証明していました。
やっぱり、ホンダには「何人たりとも……」という意地やDNAが息づいているのでしょう。たとえF1やモトGPでなく、芝刈り機であろうともホンダより前を走っているヤツは許さねえ! こういう性格、クルマ好きなら心から賛同してもらえるのではないでしょうか。