世界最速の「芝刈り機」を作ったホンダが速さを求めて新型まで作った! 最高時速240km超えなのにガチで芝も刈れるってもはやおバカを超えて尊敬しかない!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■109馬力を発するVTR1000Fのエンジンを搭載したホンダの芝刈り機「Mean Mower」

■0-100km/h加速が4秒フラットで最高速は187.60km/hを記録

■2018年には「Mean Mower V2」が登場して最高速は243km/hに進化した

芝刈り機最速を狙うというおバカな企画に本気で挑戦

 かつてF1シーンで最速、いや音速の貴公子まで生み出したホンダですが、速いのはなにもF1だけではありません。バカバカしいかもしれませんが、なんとギネスに認定された世界最速の芝刈り機まで生み出していたのです。速いだけでなく、芝刈り性能もそのまんま残されているってオマケ付き(笑)。

 冗談みたいなプロジェクトに、ホンダのなかの人やジョーク好きイギリス人が大真面目に取り組んだ結果、芝刈り機は180km/h以上、0-160km/h加速6.29秒という世界記録をマークしたのです。

 最初はイギリスのレーシングファクトリー「チームダイナミクス」のちょっとしたジョークからスタートしました。「ホンダの芝刈り機、チューンアップしてみようよ。超っ速にできたら面白くね」みたいな感じ。ダイナミクスは英国ツーリングカー選手権でホンダのワークスを担うチームですから、こういう工作はお手の物だったに違いありません。

 この思いつきを耳にして「なら、うちの芝刈り機とエンジンを提供するわ」と、ホンダモーターヨーロッパの偉い人。こういう遊びとかジョークにヨーロッパの人々はじつにノリがいい。

 で、ヨーロッパで生産・販売されていた乗用芝刈機「HF2620」をベースに、ダイナミクスがワンオフのシャシーを製作。レーシングカートにも似た鋼管フレームで、いかにも軽量で剛性の高そうなもの。ボディは芝刈り機のシルエットは残しつつ、シートポジションが思い切り下げられた結果、太っちょフォーミュラというか、ずんぐりむっくりF1みたいなスタイリングに。

 それでも、ボディ下面はディフューザーの取り付けは許されず、もとの丸形芝刈り機構を残したまま! このマシンは「Mean Mower(ヤバイ芝刈り機)」と名付けられ、2014年にスペインのサーキットにもち込まれた際には、コース脇の芝をきれいに刈ってみせたとか。

 むろん、HF2620は速度記録のためにエンジンが換装され、ノーマルの614ccV型2気筒OHVエンジン(20馬力)から、VTR1000Fというバイクの995ccV型2気筒DOHCエンジン(109馬力)へとチェンジ。パワーだけでもおよそ5倍になるとか想像もつきませんが、6速のパドルシフトを駆使すれば、0-100km/hまでの加速が4秒フラットというNSXも顔負けのパフォーマンスを発揮したそうです。

 また、見た目は芝刈り機なのに最高速は187.60km/hの世界新記録をマーク。プロフェッショナル達が真剣になると、すごいことが起きるという典型ですね。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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