ラリードライバーは走り方や人格がそのままニックネームになった
一方、WRCに目を向ければ、1973〜1993年に活躍したマルク・アレンは19勝を挙げながらもタイトルを獲得できなかったことから「無冠の帝王」と呼ばれたほか、1995年のチャンピオン、コリン・マクレーはつねにクラッシュと紙一重の全開アタックを繰り広げたことから「マクラッシュ」の愛称で親しまれた。
2000年代に入ると、2004〜2012年にかけて9連覇を果たしたセバスチャン・ローブは、つねに冷静な表情を見せていたことから「アイスクール・セブ」の異名を持つ一方で、2003年のチャンピオン、ペター・ソルベルグは常に明るくトップスターのような振る舞いを見せていたことから「ハリウッド」と呼ばれていた。
ちなみに前述の佐藤琢磨のほかにもニックネームを持つ日本人ドライバーは多く、全日本F2選手権やル・マン24時間レース、全日本ツーリングカー選手権、全日本GT選手権で活躍した星野一義は「日本一速い男」と呼ばれたほか、1997年のダカールラリーの覇者、篠塚建次郎は、そのアグレッシブな走りから「ライトニング(稲妻)・ケンジロー」の異名で親しまれた。
1996年から2009年のF1で活躍したジャンカルロ・フィジケラの「フィジコ」や2005年および2007年のPWRCチャンピオン、新井敏弘の「トシ」、さらに現在WRCで活躍する勝田貴元の「タカ」のように、多くのドライバーのニックネームは名前を短縮したものだ。
しかし、なかにはユニークな愛称もあるだけに、注目ドライバーの異名をチェックしてみてはいかがだろうか?