現地までは電車! 観光地巡りはクルマ! 渋滞&疲れ知らずでいま注目を集める「ご当地カーシェアリング」とは (2/2ページ)

渋滞を避けつつ現地入りしてクルマで自由に移動する新しいスタイル

 また、2019年から京都でスタートした「観光周遊カーシェアリング事業」では、対象となる駅まで鉄道で移動し、そこからカーシェアリングサービスで観光地をまわるスタイルなのですが、面白いのはカーシェアの予約時に業者が指定した「ドライブチェックイン施設一覧」リストのなかから目的地を設定すると、カーシェア料金が割引となったり、特典がもらえるというところ。予約時に設定した施設の駐車場に一定時間駐車することで自動的に条件がクリアとなり、特典が付与されるという仕組みになっています。これなら、ちょっとしたスタンプラリー気分で観光が楽しめそうですね。

 そして、2024年5月に新たにスタートしたのが、関東圏の観光地として年間2000万人が訪れるという箱根町のご当地カーシェアリング「はこねカーシェア」です。

 駅からの移動手段を拡充させることで、渋滞緩和、観光スポットへの観光客の分参化などをはかり、EVやハイブリッド車両を配備することで観光負荷軽減にもつなげたいというサービス。料金にはガソリン代や保険代も含まれており、返却の際にガソリン満タンにする必要もないということで、手軽に使えるところも魅力となっています。

 これらの新しい移動スタイルのメリットや、レンタカーとどう違うの? というところですが、まず短時間で使いやすい手軽さが挙げられます。レンタカーは24時間営業のところもありますが、なかには営業時間が短かったり、手続きに時間がかかることもあり、ホテルなどに停めている間も料金が発生しているのがもったいない、というケースもあります。

 たとえば駅前のホテルに宿泊するのならば、観光スポットへ移動するときだけカーシェアを最短の時間で借りることができ、その分料金が抑えられるところがメリットのひとつでしょう。スマホから直前でも予約ができ、借りるときも返却時も無人でスムース。手続きの手間がかからないところもカーシェアのメリットです。

 ただ、チャイルドシートが必要な子どもがいたり、大きな荷物があっていちいち積み下ろしをするのが面倒という場合は、カーシェアだとちょっと不便さを感じるかもしれません。目的地までの移動手段としては、ときにはクルマよりも無料バスなどのほうが便利でお得な場合もありますので、行きたい場所によって最適な移動手段をチェックして、その都度フレキシブルに変更できるような身軽な旅にピッタリではないでしょうか。

 往復の高速道路の渋滞は避けつつ、現地では手軽にクルマ移動をするというレール&ライドの新しいスタイル。ぜひ活用してみてくださいね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

新着情報