ハンドリングや直進性はPHEVがピカイチ そんなCX-60 のディーゼルハイブリッドとPHEVの選択だが、走りに関していえば、もちろん、マイルドハイブリッドとPHEVだから、電動車感と、床下バッテリー配置による低重心感覚が強いのはPHEVで、モーターアシストは微力ながら、エンジンの怒涛のトルクが味わえ、燃費性能で上まわるのはディーゼルハイブリッドということになる。
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ただし、ディーゼルハイブリッドのエンジンの回転フィールは、CX-5やCX-8のディーゼルモデルに比べ、けっこうラフ。8速ATの、デュアルクラッチ式トランスミッションのようなギクシャク感もつきまといがちだし、ステアリングフィールもスローかつねっとりしているのがちょっと残念。乗り心地にしても荒れた路面が苦手で、これまでのマツダ SUVと比較して、洗練されているとはいいにくいかも知れない。
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一方、PHEVモデルは床下バッテリー積載にもかかわらず、パッケージ的な悪影響はほぼない。操縦性はなるほど、低重心パッケージが功を奏し、直進性はもちろん、曲がりも得意中の得意で、これぞマツダ車の人馬一体のハンドリングを思わせ、じつに気もちよく走ってくれる。
もっとも、エンジン始動時については、こちらのエンジンフィールもややラフな印象。インテリアのプレミアム感は文句なしだが、PHEVとしての走りに一層の洗練を望みたいところだ。とはいえ、PHEVには切り札がある。
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EV走行が可能な点はもちろんだが、こちらにはマイルドハイブリッドにない、V2H対応のAC100V/1500Wコンセントが標準装備されるのだ。アウトドアでは車内外で1500Wまでの家電品が使えるし、災害大国の日本において停電時の電源供給車にもなりうる。自宅に充電設備がある(あるいは購入時に設置する)ユーザーにとっては、電動感の強い走行性能と合わせ、選択の決め手になるかも知れない。
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が、コスパで考えれば、燃費性能、燃料代(こちらは軽油)で優位に立ち、比較すれば約150kgも軽量でトルクフルなクリーンディーゼルターボを積むe-SKYACTIV D 3.3モデルは、今や希少な直列6気筒エンジンが手に入り、おおらかな走りのテイストでゆったり走るのに適したCX-60ともいえるだろう。1回目の車検、3年で乗り換えるつもりなら、PHEV補助金の4年縛りがないことも優位に働く。
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