防災用品をひとまとめにしてクルマに積んでおくと安心
とはいえ、やはり車内避難で理想的な空間が得られるのは、2-3列目席フラット化で、マットレスが不要なぐらいフラットで快適な居心地、寝心地が得られる日産セレナのような、室内高、天井も高いボックス型ミニバンであることはいうまでもない。ちなみに、シートのフラットアレンジ時、肩から上に角度が付いても、むしろ逆流性食道炎防止になる効果があるとされている。
愛車のシートアレンジを確認、万一の際に備えた予習したあとは、車内になにがあればマイ避難所として役立つか、である。基本的なアイテムは、車内用の照明となるLEDランタン、それも電池だけでなくUSB充電が可能なものが理想。電池が切れても、車内でUSB充電ができ、明かりを灯し続けることができるからである。寒い時期にはコンパクトに畳める車内用の寝袋もあるといい。
そして、ミネラルウォーター、緊急トイレセット、タオル、歯磨きセット、ウエットティッシュ、ペーパータオル、肌掛け、ポンチョなども欠かせない。ボルボにはそうした防災用品がオシャレなリュックにまとめられているセットもあり、筆者はボルボオーナーではないものの、じつはクルマに常備している。
が、それだけでは実際の車内避難では物足りない。プライバシーを守るためのカーテン、シェードは必須であり(フロント、サイド、リヤ)。
また、窓を開けた際の車内への害虫侵入を防ぐボディ外側に垂らす防虫カーテンも、蚊など害虫の多い季節には欠かせない。
断水時、車内避難でシャワーを浴びることなど不可能に思えるが、わが家ではそれにも対処している。そう、ケルヒャーのUSB充電式クリーナーを常備しているのだ。マルチクリーナーOC3 FOLDABLEはどこでも使えるFOLDABLE、つまり折り畳み式で、8Lの水またはお湯が使え、水さえ入手できれば(3.11東日本大震災の断水時では自衛隊の給水車のお世話になった)手洗い、シャワー代わりになるのである。
さらにいえば、ハイブリッド、PHEVでAC100V/1500Wコンセントが付いていれば、より”マイ避難所”としての頼りがいは強まる。何しろ車内外で1500Wまでの家電品、つまり湯沸かしポットや簡易電子レンジ、湯たんぽなども、ガソリンが入っている限り、使えるからである。これなら煮炊きも可能になる。
いずれにしても、いま一度、災害時にクルマが無事であった想定で、走るシェルターともなるクルマの車内でどう快適に過ごせ、避難できるかを、9月1日の防災の日(防災週間は8月30日から9月5日まで)をきっかけに、確認しておくと安心ではないだろうか。
とくに避難所に身を寄せられない、わが家のように家族の一員である愛犬(または猫)と暮らしている家族にとっては、車内避難の重要性は一段と高まる。