EVが嫌いなんじゃない! 純エンジン車が好きなだけなんだ! 押し寄せるEV化の波のなかで死ぬまで「エンジン車」に乗り続ける方法を考えてみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■EVに乗りたくないからどうしたらエンジン車に乗り続けられるか考えた

■もっとも簡単なのは現在売られているガソリン車を購入して大切に乗り続けることだ

■未来永劫エンジン車に乗りたいと思ったらそれはもう大富豪になるしかない

2050年には純ガソリン車は走行そのものができなくなる!?

 東京都の小池百合子知事は、2020年12月8日の都議会代表質問で「都内で新車販売される乗用車について、2030年までにガソリンエンジンだけのクルマをなくし、すべてEVやHEVなどの非ガソリン車(電動車)にする」という目標を明らかにした。で、小池氏は今年3月21日に行われたフォーミュラE 東京大会の事前イベントにおいても、まったく同様の目標を述べている。

 まぁ「満員電車ゼロ」というどう考えても無理めな公約を堂々と掲げ、それが達成されずとも知らんぷりな小池知事のいうことは、どれも話半分で聞くべきかと思っている。だがそれはそれとして「クルマの電動化」は、世界的かつ長期的に見れば、もはや避けられない既定路線といっていいだろう。

 とはいえそんな世の中においても、「自分は死ぬまで純エンジン車に乗っていたい!」と思っている人はいるはず。また、さすがに「死ぬまで」とは思っていなくても、「できるだけ長く!」と思っている人もいるだろう。筆者は、どちらかといえば後者のタイプである。

 いま現在はまだごく普通に純エンジン車を買って乗ることができるし、おそらくはいまから10年後、2035年頃までは、トヨタを中心とする国内各メーカーのマルチパスウェイ戦略により、純エンジンも細々と作られるはず。そしてその後、どのパワーユニットが来るのか現段階ではわからないが、技術とインフラにおいてブレイクスルーを果たしたEVかFCEVか、水素エンジンか、はたまたまったく別の何かによって“天下統一”は果たされるのだろう。たぶん。

 そういった状況のなかで「死ぬまで」あるいは「できるだけ長く」純エンジン車に乗り続けるために、私たちは何ができるのだろうか? とりあえず真剣に考えてみることにしよう。

 で、考えてみた結果、取り得る方策は以下の3種類であることが判明した。順を追ってご説明する。

作戦1)シンプルな構造の純ガソリン車を購入して徹底的に大切にする

 仮に(あくまでも仮に)、小池百合子氏の目標どおり東京都では2030年に純ガソリン新車の販売数がゼロになり、そして2035年頃には日本国としても純ガソリン新車の製造と販売を禁じたとする。

 仮にそうなったとしても、日本国が民主主義&自由主義の国家であり続ける限り、国や自治体が、瑕疵のない人民の財産を勝手に没収することはできない。つまり、あなたが所有している純ガソリン車が取り上げられることはないため、純ガソリン車の新車販売が終わったとしても、すでに所有している純ガソリン車にずっと乗り続ければいいだけの話である。

「でも純ガソリン車はそのうち公道を走れなくなるのでは?」という疑問または不安もあるだろう。もちろんその可能性もあるわけだが、それは「いますぐ」ではない。日本国政府の場合は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」のなかで「2050年に自動車の生産、利用、廃棄を通じた CO2ゼロを目指す」といっているので、仮にこの目標どおりに事態が推移すれば(推移しない気もするが……)、2050年には純ガソリン車は「走行」そのものができなくなる。

 しかし、逆をいえば2050年までは走れるのだ。目標達成時期が前後に多少ぶれることを考慮しても、おおむね2040年頃または2060年頃までは、純ガソリン車による公道走行は可能なのだ。それゆえ、とくに心配することはないのである。

 とはいえ問題は「いま乗っている純ガソリン車を2050年頃まで維持できるだろうか?」ということだ。

 もちろんしっかりとした整備や部品交換を続けない限り無理であろうし、全身コンピュータ仕かけとなっている近年のクルマでは、「機械部分はまだまだ大丈夫だけど、コンピュータが逝ってしまい、交換するコンピュータも世代的にもう売られていないため、走れません」となることも予想される。また、コンピュータではなく機械部品が「交換部品の在庫がゼロです」となってしまうこともあるだろう。

 そのため、この作戦を採用する場合は「なるべくコンピュータの使用割合が低いシンプルな純エンジン車を選ぶ」ということと、「中古部品の入手が容易な車種を選ぶ(レアすぎる車種は選ばない)」というスタンスが重要となる。そういった意味では、この場合に最適な車種は、現行世代でいうと「マツダ・ロードスター」あたりだろうか? あるいは大穴として「トヨタ・プロボックス」も考えられるかもしれない。

 また、2030年以降あるいは2035年以降はガソリンスタンドの数も(たぶん)激減するため、「走らせたいが、給油できない!」というガソスタ難民の発生も予想される。これを避けるためには、おそらくは最後までガススタの数が減りにくい「大型トラックが数多く走っているエリア」へ転居するというのも、有効な手段となろう。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
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絵画制作
好きな有名人
町田 康

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