良くも悪くも「賛否両論」巻き起こすのがアルファロメオ! 絶賛も酷評も含めて「超ユニーク」なデザインのクルマ5台 (2/2ページ)

振り返っても名作のオンパレード

●期待と大きくかけ離れた日伊合作車

 70年代末、経営危機にあったアルファロメオは、グローバル戦略を進める日産と合弁事業を展開、1983年にアルナを送り出します。で、3台目はこのクルマに注目します。

 大きな期待とともに登場したボディは、しかし2代目の日産パルサーそのもの。エンジンこそ自慢の水平対向4気筒に換装したものの、アルファらしくないスタイルは酷評の嵐で、「もっとも醜いアルファ」とまでいわれたといいます。

 肝心の「顔」も、パルサーのグリルに小さな盾を無理矢理付けたもので、なんの工夫も魅力も感じられません。同社の長い歴史には、こんな汚点とも言える出来事があったワケです。

●怪物と呼ばれた唯一無二の個性派ボディ

 次に取り上げるのは、1989年登場のSZです。もともとはザガートによるコンセプトカーから始まったプロジェクトですが、市販版はフィアットのデザインセンター主導で進められました。

 しかし、シトロエンSMやCXなどを手掛けたロベール・オプロンによるスタイリングはザガートに劣らぬ個性派で、意表を突く大胆なパネル構成の超ウエッジボディは「怪物」とも囁かれました。

 片側3連ランプや、切り落としたかのような絶壁パネルを組み合わせたフロントセクションは異様ですが、この怪物ボディにはそれくらいのインパクトをもつ「顔」が必要だったのです。

●常識を覆すボディにはユニークな顔を

 最後にピックアップするのは、GTV(スパイダー)です。アルフェッタ以来、しばらく途絶えていた伝統の車名を復活するかたちで、1994年に発表されました。

 ピニンファリーナに委託されたスタイリングは、164のほかランチア イプシロンなどを手掛けたエンリコ・フミアが担当。強烈なウエッジラインにより2分割されたボディは従前の常識を覆した超個性派に。

 フロントでは、ボンネット側に穴を開けた丸型2連のヘッドライトが見所。164に似た端正な盾型グリルと横長のエアインテーク、そして小さな丸型ランプでまったく新しい「顔」を作ってしまうセンスに脱帽です。

 さて、今回はよくも悪くもユニークな「アルファ顔」を5台選んでみました。それぞれには好き嫌いを含めていろいろな意見があると思いますが、特徴的な盾のモチーフを軸に、これだけ幅広い表現が展開される点に同社の歴史と伝統を感じるところです。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

愛車
いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
趣味
オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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