「パーツ販売」「フィルム施工」「中古車販売」! まるまる「自動車だけ」のショッピングモールがインドネシアに存在した (2/2ページ)

新車だけでなく中古車でも日本車が圧倒的な人気を誇る

 中古車展示場は車両を吟味することにもなるので、明るい照明に冷房がよく利いていた。広いスペースには小規模の中古車販売業者が軒を連ねる感じで各々の車両を展示していた。日本のように個々の車両に「プライスボード」が掲げられることは少なく、気に入ったクルマがあると、そこの店舗スタッフに価格などの問い合わせをすることになる。

 まれにプライスボードを掲げている店もあるが、車両価格ではなくローンでの購入が原則となるので、月々の支払額が掲示されていた。

 ドイツ車専門や、クロカン専門といった店もあるが、一般的な店舗ではインドネシア国内における新車販売シェア9割超を誇る日本車が圧倒的に多く展示されていた。事情通によると、「日本車人気の高さは、その信頼性の裏打ちではないですが再販価値の高さにあります。新車に乗る人は比較的短期間で乗り継ぐケースが多いので、再販価値の高さは日本以上に気にかける人が多いです」と説明してくれた。日本車は再販価値が高いので、中古車として購入したとしても売却するときには相応の高値で処分することが可能となるため、中古車でも日本車人気は高いのである。

「展示場を見渡すと、韓国車や中国車も見かけることができます。思ったほどではありませんが、日本車よりは値落ちスピードは速いようですね」(事情通)。

 じつはこのMGKブラストには2024年2月にも訪れている。そのときと今回(2024年7月)を比較すると、展示車両のなかで中国ウーリン(上海通用五菱汽車)のマイクロBEVとなる、「エアEV」が目立っていた。結構な店舗で展示されており、なかには複数台展示しているところもあった。エアEVがインドネシア国内でデビューしたのは2022年のこと。短期間で乗り換える傾向が目立つとはいえ、中古車での流通の様子を見ていると、その出まわり方のペースは速いように見える。

「エアEVは登場後大ヒットしたのですが、いまでは勢いがなくなり販売台数の落ち込みが目立っています。一過性のブームだったことは中古車が目立つことからも明らかのようです」(事情通)。

 エアEVに限らず、中国車の中古車が目立っているのも、物珍しさから手を出してみたものの、早々に日本車へ回帰しているのかもしれない。タイでも同じような話を聞いたが、中国車は日本車のように「リピーター」をどこまで囲い込むことができるのかが、積極的に市場進出したあとの課題になっているようである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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