「セダン」や「クーペ」の歴史的名前が続々とSUVに! すっかり姿を変えたクルマ5台 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■いまやSUVは世界のスタンダードになりつつありセダン市場まで駆逐する勢いだ

■いままでSUV以外の形で販売されていたクルマたちもSUVスタイルへと進化を遂げている

■海外ブランドも名前はそのままにSUV形状を取り入れた新型モデルを投入している

SUVになって生まれ変わった名車たち

 2000年代前半から世界中で増え始めたSUVは、やがて大ブームとなって一大勢力を築きあげました。

 北米ではクーペからの乗り換えが急増したり、日本ではセダンやミニバンからの乗り換えが加速して、セダン人気だった市場を壊滅寸前に追い込んでいます。そして、いつしかSUVはブームではなく、定番となっていまもその人気を維持している状況。

 そんななか、世界中の自動車メーカーが新たなSUVを誕生させているのはもちろん、歴史あるセダンやスポーツカーまでもが、存続をかけて同じ名前でSUVを登場させているのが興味深いところ。

 今回はそんな、昔のイメージをガラリと変えてSUVとなっているモデルをご紹介します。

 まずは、自動車業界全体に大激震を与えたといってもいい、大変身での登場となったトヨタ・クラウン。観音開きのクラウンこと、1955年誕生の初代クラウンからじつに15代続いた日本の伝統セダンとしての道を捨て、2022年に第1弾としてSUVとなるクロスオーバーが登場したのを皮切りに、スポーツ、エステート、セダンと4タイプのバリエーションをもつグローバルモデルへと進化したのです。

 それまでこだわってきたFRレイアウトではなくFFがベースとなったことや、どちらかというとオーセンティックなデザインを守ってきたクラウンらしからぬ、アグレッシブに攻めたデザインとなったことなどから、往年のユーザーや販売店からは猛反発が起こったことも話題となりました。

 しかし、発売してみれば販売はおおむね好調。とくに、これまでクラウンには見向きもしなかったような若い世代からも「かっこいい」と憧れられる存在となったことは、むしろ大成功といっていいでしょう。

 続いて、かつてはバブル絶頂の時代からスポーツカーとして北米を中心に人気を集めていた三菱のエクリプス。ロングノーズ・ショートデッキというスポーツカーらしいデザインと、三菱ならではのパワフルなターボエンジンといったパフォーマンスの高さも評価され、2代目は映画『ワイルド・スピード』で使用されてまたまた爆発的な人気に。日本独自のカスタム文化といわれる「スポコン」を世界的に広める立役者ともなっています。

 ただ、2005年に登場した4代目は日本へは導入されず、販売不振から北米専用車が廃止となったことから、エクリプスも2012年に姿を消してしまいました。

 それから5年後、クーペSUVとして新たに誕生したのがエクリプスクロス。かつてはガソリンだけでなくディーゼルモデルもあったのですが、現在はPHEVとガソリンがラインアップ。高い4WD性能とPHEVの魅力が詰まった、三菱らしいクロスオーバーSUVとなっています。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

新着情報