非降雪地域に住んでいても欲しくなる
2日目は早起きをして引き続き青森県内を観光。朝はやはり多くの道が凍っている。凍結路は非降雪地帯に住んでいる人や雪道走行に不慣れな人にとってはもはやトラップだ。圧雪路は視覚的にわかりやすいため心構えができるのだが、凍結路はアスファルトの灰色が見えているにもかかわらずブレーキを踏むと止まらない。目算と実際の制動距離の差が大きいのだ。どんなに高性能なスタッドレスタイヤを履いていたとしても、細心の注意を払いたい。
そんなことを考えながら信号の手前で早めにブレーキを踏む。タイヤがしっかりと路面を噛んで止まるのがわかる。もちろん制動距離は伸びるが、滑っている、止まろうとしている、まもなく止まる、というのが感覚として伝わってくるためヒヤヒヤせずに済んだ。
アイスガード 7の性能に感心していると、あっという間に弘前城のある弘前公園が見えてきた。朝にはめっぽう弱いうえに慣れない雪道運転。ヘロヘロかと思いきや、時間にも心身にも余裕のある状態で到着。営業開始30分前に着いてしまい、車内で待機することとなった。
おあずけを食らったこともあり、初めて目にする弘前城に感慨もひとしお。
弘前城は弘前藩祖・津軽為信が計画し、2代藩主信枚が築城。東北唯一の現存天守だという。
桜の名所として有名だが、雪がしんしんと降るなかの弘前城にも趣があり、寒さを忘れて見入ってしまった。
続いて文豪、太宰治の生家であり現在は記念館となっている斜陽館へ。
道中、雪が強まってきて幹線道路には轍ができていたがハンドルが取られることはなく、アイスガード 7の頼もしさを実感した。
太宰治の作品を愛してやまない私がいつか来てみたかった斜陽館。明治40年に太宰治の父・津島源右衛門によって建てられた、約680坪の大豪邸だ。書斎の襖に書かれた漢詩には「斜陽」の文字を発見。太宰治が使っていた執筆用具、直筆原稿、書簡などの展示に心が躍る。マントを羽織ることもでき、仕事であることを忘れかけた。
斜陽館を後にし、津軽鉄道・芦野公園旧駅舎を活用した喫茶店「駅舎」で休憩。ノスタルジックな店内やほろ苦い珈琲に癒された。
「走れメロス号」を間近で見ることも叶い、感激。雪のなかを走る列車が過酷な状況の下、友のために走るメロスの姿と重なった。
「駅舎」を出た後、芦野公園内にある太宰治銅像にお礼を告げてこの日のラスト、高山稲荷神社へ。
すっかり手に馴染んできたアイスガード 7。ワインディングでも不安がない、どころか走りを楽しんでしまった。雪道でのグリップ度合いがステアリングを通じてしっかりと伝わってくるのだ。
標高約22mの地に数えきれないほどの鳥居が並ぶ高山稲荷神社の景色は圧巻。朱色の鳥居と真っ白な雪のコントラストは、息を呑むほど美しかった。
二日間の旅で降雪地帯の路面は、その時の雪の状況や場所によって大きく変化することを知った。そして驚いたのはアイスガード 7が想像以上にあらゆる状況に対応していること。圧雪路を走った際の感想を「思ったより普段と変わらない」と記したが、以後、凍結路やシャーベット状態の路面、また狭路や幹線道路、ワインディングを走ってもその印象は変わらなかった。
私は非降雪地域に住んでおりクルマ通勤をしているわけでもなく、雪道での運転が必須という状況ではないため、今までスタッドレスタイヤを購入してこなかった。だがこれほど安心していつも通り走れるのであれば、愛車にアイスガード 7を装着してさまざまな場所に赴いてみるのもいいと思った。日本には四季という魅力があるのだから。
さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行かう。絶望するな。では、失敬。(太宰治『津軽』より引用)
装着タイヤ:iceGUARD 7(アイスガード セブン)
試乗車:ホンダZR-V e:HEV Z
装着サイズ:225/55R18(前後)
【詳しくはこちら】
問い合わせ:横浜ゴム株式会社 0120・667・520(受付時間 平日:9:00~17:00)
https://www.y-yokohama.com/product/tire/iceguard_7/