他人のデコトラの「ナンバー」を晒したままSNS投稿! 絶対やめるべきとデコトラ誌編集長が訴えるワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■他人のデコトラを無断で撮影してSNSにアップする人が増えている

■ナンバープレートを隠していないケースも少なくない

■SNSで見かけるデコトラ動画の問題点について解説する

他人のデコトラを無断で掲載

 いま、SNSによる動画の投稿が当たり前の世の中になっている。家族を題材にしたものや、ペットや野生の動物を撮影したもの。はたまたグルメなど、たくさんの人たちがSNSの魅力に夢中になっている。

 SNSはリアルタイムで発信できるとても使いやすく便利なツールであるため、利用する人が多いのは素直に頷ける。しかし、便利さや視聴回数を稼ぐことだけに気を取られ、ときには迷惑行為に発展してしまう例も少なくない。たとえ法律的には問題なくとも、道義的に如何なものかと首を傾げざるをえない動画も散見しているのだ。

 かくいう筆者は、デコトラ専門誌の編集長を務めている。あまり気づかれていないことかもしれないが、誌面に掲載する現役のデコトラにおいては、ナンバープレートを隠すという作業が必須となっている。デコトラとは、トラックを派手に飾り立てた車両のことを指す言葉。つまりは、改造車だ。近年では車検を取得している合法改造車が多いのは事実だが、なかには違法改造車が含まれている恐れがある。そしてなによりも所有者の個人情報を守るため、ナンバープレートを隠して掲載しているのだ。これはデコトラ雑誌のみならず、改造車を取り上げる専門誌やメディアでは当たり前のことである。

 過去のように、いち個人がナンバープレートだけで所有者の情報を得られることはなくなった。しかし、警察や陸運支局などの機関にかかれば、個人情報などたやすく手に入る。むしろ、そのためにナンバープレートの装着が義務付けされているのだ。しかし、SNSで投稿されているデコトラの動画においては、ナンバープレートを隠すというケースはほとんど見受けられない。動画の加工技術や専用のソフトが必要となってしまうため、そこまで手がまわらないのも頷ける。

 しかし、撮影したデコトラが他人の所有物であるということを忘れてはならない。ナンバープレートから個人情報が割れなくても、おおよその所在地は確認できるし、近隣の住民であれば即座にあそこのトラックだと気付くに違いない。そんなことを顧みずデコトラのイベント会場で撮影した動画を自分のものかのように配信している人たちは、自分の自家用車や自宅を撮影した動画が許可なく発信されたとしたら、どう思うのだろうか。自分が他人の所有物であるデコトラを無断で公開したときのように、大喜びで歓迎するのだろうか。


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