ワンボックスカーってどんなクルマ? 定義やミニバンとの違い、メリットなどを解説 (2/2ページ)

おすすめの車種を紹介!

ワンボックスカーがもつメリット

多くの荷物を積める

 ミニバンと比べワンボックスの大きな特徴は、積載性に優れていることでしょう。エンジンの真上に運転席を設置することで、同じ全長のミニバンと比べると室内長を長く取ることができるのです。

 商用を目的としたワンボックスの場合、荷室をメインとすることで多くの荷物が積めることはいうまでもないことでしょう。

大人数が乗れる

 また、ハイエースグランドキャビンなど送迎向けモデルについては、ミニバンより座席を多く配置することも可能です。

 ボディサイズが近いFFのメルセデス・ベンツVクラス(エクストラロング)が乗車定員7人乗りに対して、ハイエースグランドキャビンは10人乗り。多人数での移動をメインに考えた場合、FFのミニバンよりワンボックスが一歩上を行きます。

アウトドア・ビジネスシーンに便利

 荷室が広いことでワンボックスがビジネスに使い勝手がいいことはお伝えしてきたとおり。広いだけでなく荷室にユーティリティナットを備える車種が多いことで、バーやフックを取り付けることが可能。業務内容に合わせアレンジすることができるのもメリットといえるでしょう。

 荷室がアレンジできるのはビジネスだけでなく、アウトドアなどレジャーに最適な空間を作ることも可能。ワンボックスはホビーユースにも適した車種といえます。

ワンボックスカーがもつデメリット

乗り心地には期待できない

 先程からお伝えしているように、ワンボックスは商用車ベースで開発されています。そのためサスペンションの形式やセッティングは積載性を重視。当然、乗用車のミニバンには、乗り心地が及びません。

 また走行性能、とくにハンドリングなどはミニバンに劣るモデルばかり。快適に移動したい場合はミニバンを選択したほうが幸せなカーライフを送れます。

ミニバンより快適装備が劣る

 乗り心地同様に商用車ベースのワンボックスはミニバンと比べて、快適装備やインテリアの質感が劣ることもデメリットといえるでしょう。

 またミニバンと比べモデルチェンジサイクルが長いことで、いまどきのクルマに必須の先進運転支援装備が充実していない車種があることも同様。

 このあたりはミニバンより大きく劣る、ワンボックスのデメリットであることは間違いありません。

おすすめの人気ワンボックスカー

トヨタ・ハイエース

 ワンボックスといえば、多くの人がイメージするのはハイエースでしょう。

 現行モデルとなる5代目(200系)は2004年に登場。デビューからすでに長い年月を経ているものの販売力や商品力に衰えが見えません。

 荷物の積載から人の送迎まで多彩なジャンルで活躍できることで、日本のみならず世界各国で人気なのも同車の特徴。その人気は2007年から7年連続で盗難被害ワースト1に輝くなど、デメリットを抱えてしまうほどです。

 ハイエースの魅力は数多くありますが、多彩なバリエーションを誇ることで商用車に求められる細かいニーズに対応していることも人気の理由。商用バンをはじめワゴン、コミューターをラインアップするハイエースは、会社が求めるニーズに合わせて選択しやすい1台といえるでしょう。

日産キャラバン

 ハイエースとともに知名度が高いワンボックスといえばキャラバン。現行モデルは2012年に登場した5代目となりますが、NV350キャラバンとしてデビューしましたが、2021年に行われたマイナーチェンジでガソリン車はキャラバンと改名(ディーゼル車は改名されなかったものの2022年からキャラバンへ変更)しています。

 ハイエースほどの人気を得てはいないキャラバンですが、荷室の広さがクラスナンバー1ワンなど、ボックスに求められる積載性など高い実力を備えたモデルであることは間違いありません。

 またエマージェンシーブレーキをはじめ、踏み間違い衝突防止アシストや日産自慢のアラウンドビューモニターなど先進安全技術も装備していることも特徴です。

スズキ・エブリイ/エブリイワゴン

 軽ワンボックスとして高い人気を誇るのが、エブリイ&エブリイワゴン。エブリイが商用車、エブリイワゴンがエブリイをベースとした乗用モデルとなります。

 現行モデルは2015年に登場した6代目となり現在までに改良が施されていきました。

 2019年にはステレオカメラ方式のデュアルカメラブレーキサポートを装備するなど、安全装備の性能を大きく高める仕様変更を実施。

 2022年には「セーフティサポート装着車」にバックアイカメラ付きディスプレイオーディオをオプションとして設定するなど、安全性能をより高めました。

ダイハツ・アトレー/ハイゼットカーゴ

 エブリイのライバルとなるのが、アトレー&ハイゼットカーゴ。現行モデルは2021年にフルモデルチェンジしました。

 現行モデルの大きな特徴は、乗用モデルとなるアトレーが4ナンバーになったこと。従来までアトレーはハイゼットカーゴをベースとした5ナンバーワゴンでしたが、荷室サイズを重視したことがその理由です。

 また現行モデルはトヨタのTNGAをベースにしたダイハツの新たな取組「DNGA」を軽商用車として初めて採用し、基本性能や安全性能を進化。また今年から適用された商用CAFE規制(企業別平均燃費基準)に対応すべく、燃費を向上させています。

 先代と比べて商用車として重視される荷物の積載量がアップしたことも大きなトピックス。荷室上部をスクエア化し区間を拡大することを可能としたほか、荷室側面や床面をフラット化し、効率的に荷物を積載することができるようになったことも積載量拡大に寄与しています。

まとめ

 クルマに興味が薄い人にとって、ワンボックスとミニバンの違いがわからないのはある意味当然なのかもしれません。

 そんな人たちにその違いを説明するのもやっかいなこと。両車ともに広い室内を備えたクルマではありますが、ワンボックスは商用メイン、ミニバンは乗車であることを理解してもらえば問題ないないでしょう。


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