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レーシングカートからeスポーツへ!? 時代と共に変わりゆくレーシングドライバーへの道

レーシングカートからeスポーツへ!? 時代と共に変わりゆくレーシングドライバーへの道

この記事をまとめると

■プロのレーシングドライバーになるためにレーシングカートから始める人は多い

■レーシングカートは本格的なモータースポーツと基本的に同じ体験ができる

■近年ではドライビングシミュレーターを使った「eスポーツ」の有用性に注目が集まっている

これまでのオンロードレースのトップはカート出身者ばかり

 将来、レーサーという職業に就きたい。そう考えた場合、どんな方法がベターなのだろうか? 広義においてレース(競争)におけるプロの競技者というと、競馬、競輪、競艇、オートレースなど公営競技の場合、適正試験を受けてから教習する施設や組織に属しながら、プロデビューを目指す。

 一方、いわゆるモータースポーツの場合、ホンダなどの一部のメーカーはプロレーサーを養成するためのスクールがあるが、卒業してもプロレーサーへの道が確約されている訳ではない。つまり、プロレーサーになるための規定路線がないのが実情だ。

 そうしたなかで、もっともメジャーな方法として知られているのが、個人的にレーシングカートから始めるという選択だ。

 F1、インディカー、世界耐久選手権など、オンロード(舗装路面)レースのトップカテゴリーには、幼少期からカートレースに参戦していた経験があるレーサーが多い。

 では、なぜカートなのか?

 理由はいくつもあるが、モータースポーツのなかではコストが低めであっても身体にかかるGは大きく、また予選でのタイムアタックや、決勝での他者とのかけひきなど、本格的なモータースポーツと基本的に同じ体験ができることが、カートの強みだといえる。

 コストが低めとはいっても、子どものお小遣いで賄うような金額ではない。参戦するレースレベルにもよるが、ローカルレースから地方選手権、そして全国選手権とステップアップするなかで、カートの保管や移動費用など、年間数百万円の出資になる。また、カートの移動で自動車を使うことも考えれば、親がつきっきりでサポートすることが前提になってしまう。

 そうしたなか、近年注目されているのが「eスポーツ」である。いわゆるドライビングシミュレーターを使った仮想空間でのレース体験だ。

 マツダでは、自社で主催するeスポーツイベントに参加した成績上位者に対して、リアルな「ロードスター」を使ったサーキットでのドライビングレッスンを提供。

 さらに、レッスン参加者のなかから、マツダ主催の「パーティレース」やスーパー耐久レースへとつづくステップアップボードを構築している。

 eスポーツイベント上位成績者らに、サーキットでのレッスンの際に話を聞くと、「リアル体験は、体験前の想定どおり」という人が多かったことに驚いた。

 また、参加者それぞれのリアル体験を車載データロガーで記録し、それに基づくインストラクターの指導についても「データが見える化されていることで、学ぶ速度が上がった」という指摘も少なくなかった。

 今後、ドライビングシミュレーターのリアリティがさらに増せば、プロレーサーへの道筋のなかで、バーチャルの実用性に対してレーサー志望者の関心が高まることになりそうだ。

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