この記事をまとめると
■現行モデルのトヨタ・シエンタには電子パーキングブレーキが採用されていない
■電子パーキングブレーキに付随するオートブレーキホールドは右足への負担が軽滅される
■女性ユーザーが多いシエンタには電子パーキングの採用が急務だ
新型シエンタには電子パーキングがない
2024年7月に国産コンパクトミニバンの一雄、ホンダ・フリードが3代目の新型となって、ふたたびトヨタ・シエンタとのコンパクトミニバン争いに火がついているが、両車を比較した際、よく取り出されるのが、いまや軽自動車にも採用され、採用全盛の電子パーキングブレーキ(オートブレーキホールド機能)が、シエンタには付いていないことだ。
電子パーキングブレーキは、シフターをPレンジに入れると自動的ブレーキがにかかり、アクセルを軽く踏むことで解除できる。手動操作不要でパーキングブレーキをかけ、解除することができる便利なものだ。それに付随するオートブレーキホールド機能も、信号待ちや坂道などでブレーキを踏み続ける必要がなくなり、ドライバーがブレーキを踏み続けることによる右足の負担が軽減されるメリットは絶大といっていい。
さらに、電子パーキングブレーキはACC(アダプティブクルーズコントロール)とも連携し、渋滞追従機能(停止しても一定時間ブレーキが保持され、一定時間以内に前車が発進すれば自動追従を開始する)によって、渋滞時の運転に関わるストレスを軽減してくれるメリットまであるのだ。3代目新型フリードのACCが「渋滞追従機能付き」になったのも、電子パーキングブレーキ新採用の恩恵なのである。
しかしながら、繰り返すけれど、2022年夏に販売が開始された3代目トヨタ・シエンタには、プロアクティブドライビングアシストを含む充実した先進運転支援機能のトヨタセーフティセンスを採用していながら、先代同様、電動パーキングブレーキの採用は見送られている。つまり、足踏み式パーキングブレーキのままだ。
もちろん、シエンタにも全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール=ACCが全グレードに標準装備されているのだが、停止保持、つまりクルマが完全停止した状態でブレーキペダルから足を離してもブレーキ機能が働き、クルマが動かないように保持される機能があるのは、唯一、シフトポジションを電動制御するエレクトロシフトマチック(シフトレバー操作はR/D/Bのみで、Pレンジはボタン操作となる)を採用する最上級のZグレードのみとなっているのだ。