インドネシア名物の「勝手に交通整理」を行う「誘導おじさん」にご用心!

この記事をまとめると

■東南アジアでは女性が家計を支えていて男性はあまり働いていないように見える

■インドネシアの男性はお小遣い稼ぎに勝手に交通整理や駐車場誘導をする

■「誘導オジサン」は行政から雇用されているわけでなく誘導もいい加減なのであまり信用しないほうがいい

東南アジアの男たちが日陰で昼寝をしている風景をよく見かける

 東南アジアに詳しい事情通によると、「現地の自動車生産工場に勤務している日本人駐在員に『苦労することはなんですか?』と聞いたことがあります。すると、『日本の工場で働く人に比べると勤労意欲に差があること』と答えてくれました。『まずは働こう』と、勤労意欲を高めてもらうことに苦労するそうです」とのこと。

 事情通いわく、すべての現地従業員にあてはまることではないとしながら、「生産工場は都市部より離れた地方部にあるのは日本と同じです。従業員の自宅敷地内にはバナナをはじめ、さまざまな作物の畑がたいていあり、どこまで自給自足できているのかは別として、『食うに困らない』という前提もあって、勤労意欲がなかなか高まらないようだとのことであった。

 筆者はインドネシアやタイをよく訪れるが、街なかでは女性が一生懸命働く姿をよく目にするのだが、逆に男性は日陰で昼寝をしていたり、仲間と集まって談笑している姿を頻繁に見かける。「女性が家計を支えているというのは、あくまで私見ですが『東南アジアあるある』であり、男性があまり働いていないように見えるのもあるある的風景といえます」とは事情通。

 ここまでは、これからご紹介するある風景を理解するための「前段の話」と理解してもらいたい。

 インドネシアの首都ジャカルタやその近郊をクルマで移動しているとき、交差点付近でUターンをしようとすると、どこからともなく周囲の車両を誘導する「おじさん(あるいはお兄さん)」が出てくる。ただし、これはたとえば行政が雇用している誘導員ではなく、いい表現をすれば「ボランティア」ともいえるのだが、その周囲にいるオジサンが勝手に誘導していることが多いとのこと。

「彼らの誘導に対して報酬を払う必要はありません。彼らもマストで請求することはありません。ただ、ときおり気前の良いドライバーがチップをくれることがあり、それが彼らの収入となります」とは事情通。「周囲で昼寝や仲間と談笑していながら、ときおり交通整理などをして小遣い稼ぎをする男たち」というのは、インドネシアあるある風景のひとつだとも事情通は教えてくれた。

 筆者は過去に、埼京線や武蔵野線、地下鉄東京メトロなどでかつて活躍していた車両が走っている鉄道駅から自動車ショー会場まで「アンコット」という乗り合いタクシーを利用して向かおうとしたことがある。ドライバーは「そこなら通るよ」というので乗ったのだが、土地勘のない筆者でも明らかにショー会場から離れているのがわかり途中下車した。

 とはいっても右も左もわからないところで困っていると、さっそく近くで昼寝していた男性が声をかけてきた。インドネシア語はわからないので身振り手振りで説明すると理解してくれたらしく、通りを走るタクシーを停めてくれ、運転士にショー会場まで連れて行ってくれと頼んでくれたので、小遣い程度のお金を感謝の意味をこめて渡したことがある。

 駐車場でも「誘導おじさん」は存在する。ただし事情通は、「道路での交通誘導でも、駐車場での駐車誘導でも、それに従ってはいけません。残念ながら結構いい加減なのです。駐車場の誘導おじさんの指示に従って駐車していたら壁にクルマをぶつけたといった話も聞いたことがあります」と話してくれた。

「誘導オジサン」はまさに街の風景のようにジャカルタ市内でもあちこちで見かけることができる。あくまでアトラクションのひとつぐらいの感じで見て、接するのがいいようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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