40年前の「スズキ・エブリイ」がウズベキスタンで新車販売されているだと!? しかもシボレーエンブレムってどういうこと? (2/2ページ)

ふたり乗りのバン仕様からから7人乗りのワゴンまでを用意

 なお、2代目エブリイは各国での生産が終わったかのように思われましたが、どっこいパキスタンでは現役バリバリ! 現地のスズキ子会社「パック・スズキ」が「ボラン」という車名で現在も生産を続けているのです。40年前に生まれた軽バンなのに、どんだけ活躍したら気が済むんだよって感じ(笑)。

 さて、世界に羽ばたくスズキではありますが、GMもまたワールドワイドな商売人。1996年からウズベキスタンで出資していた「ウズオート」でも「作っちゃいなよ」とエブリイを導入したのでした。むろん、かの国でもダマスは大ヒットとなり、2008年からはついにシボレーブランドでの発売となりました。

 フロントにはお馴染みのボウタイエンブレムが輝きつつ、ボディサイズは3845×1400×1920mmとほぼエブリイのまんま。ただし、排気量は800ccへと増強されたわりに最高速は100km/hという不思議スペック。車重590kgなのに、いささか腑に落ちませんよね。また、ふたり乗りのバン仕様と2+3+2シートのワゴン仕様が選べるとのこと。

 インテリアに目を向ければ、古き良き昭和の香り漂うプラスチックてんこ盛り(笑)。樹脂感まる出しのシフトノブやレギュレーターハンドルなど、軽自動車はこうでなくっちゃと膝を叩くオールドファンもいらっしゃるかと。

 なお、GMの商魂は逞しく、シボレーブランドのまま中央アメリカや北アフリカでも「CMP」という車名で現在でも製造・販売がなされています。この調子ならビートル並みの総生産台数(2152万9464台)を記録してもおかしくないのでしょうが、いかんせん世界中に広がりすぎて把握のしようもありません。

 インドや韓国、ウズベキスタンといった国々のほかにもイギリスはベドフォード(ボクスホールの商用車ブランド)やインドネシアやベトナムだってスズキは現地生産していますからね。

 ともあれ、40年前に生まれた日本の軽自動車がいまも形を変えることなく世界の道を走っているなんて、じつに誇らしく、またクルマ好きのロマンを誘うエピソードではありませんか!


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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