変わったものを連想させるような車名もあった
そのようなキレを感じさせるネーミングが魅力的なロールス・ロイスではあるが、日本人的に「カリナン」は微妙だろう。カリナンとは「1905年に南アフリカの鉱山で採掘された世界最大のダイヤモンドに付けられた名前」であるらしい。
が、そんなことはどうでもよくて、車名を聞くとどうしても「仮ナンバー(略称=仮ナン)」のことを思い浮かべてしまうというのが、このプレミアムSUVの日本市場における弱点である。
また、2015年に発売されたV12搭載のオープンカーのロールス・ロイス・ドーンの「ドーン」は、夜明けや暁を意味する「Dawn」という素敵な英語から来ているわけだが、日本人としては、どうしても喪黒福造の「ドーン!!」を連想してしまうため、これも日本市場の特殊事情に基づく弱点となっていた
そしてロールス・ロイスに加えて英国のロータスも、(日本人的に)カッコいい車名と微妙な車名がひどく混在しているブランドだ。
風吹裕矢でおなじみの「ロータス・ヨーロッパ」は最高レベルのキレ味を感じる素敵で潔い車名であり、意味はわからないが「エラン」もなかなかいい感じだ。エランとは、ラテン語で「卓越」を意味する言葉だろうか? ……というのが筆者の直感だが、いまググったところによれば、エラン(elan)とはフランス語を起源とする「鋭気、気力、突進」などを意味する言葉であるそうだ。
「エラン=卓越という意味のラテン語」という筆者のテキトーな山勘も、それなりに大はずれではなかったようでうれしい。
それはさておき、同じロータスでも「エヴォーラ」はどうしても「エボラ出血熱」を想起してしまうため、なかなか微妙である。もちろんエヴォーラ(Evora)はエボラウイルス(Ebola virus)とは意味もつづりも異なる「ポルトガルの歴史ある街、Evora」に由来しているわけだが、そんな街のことなど申し訳ないがまったく存じ上げないため、どうしてもEvoraと聞けばEbolaのことを思ってしまうのである。VとBの発音の違いとか、知らないし。
しかし、ロータス・エヴォーラに関しては、ポルトガルのことも知らず、そしてVとBの聞きわけすらできない無知な筆者に非があるといっていいだろう。
だが、「ロータス 3-イレブン」に関しては、こちらとしても一歩も引くつもりはない。3-イレブン(3-Eleven)といわれれば、こちらとしてはどうしたって「セブンイレブン」または「7 ELEVEN」が頭に浮かび、クルマのことなど、とくに3-イレブンのようなスポーツカーのことなど、イメージできるはずがないではないか。「3-イレブン」と聞いて脳裏に浮かぶのは、おにぎりのことばかりである。
ロータス社がグローバル市場で3-イレブンを「3-Eleven」として販売するのはまったく構わない。だがなぜ日本市場では別の車名にしなかったのか? ロータス本社および日本のインポーターには猛省を促したい。
そのほかでは「フェラーリ 12チリンドリ」についてもいいたいことはあるのだが、長くなるので、このへんでやめておこう。