旧車趣味は金食い虫……でもない! 庶民のギリ現実的路線の「200万円」で始められるクルマを探してみた (2/2ページ)

意外にも100万円台からも狙える!

■旧車らしさを味わえて、価格が控えめな車種を探す!

 ここでは、単に価格が安いというだけでオススメしてしまい、購入したあとのトラブルに対応できずに落胆して、最悪の場合、旧車を嫌いになってしまう、ということにはなってほしくないので、先に扱いや維持がカンタンではない車種も混じっていますということをお断りしておきます。

 その上で魅力を感じていただき、長いお付き合いになる車種と出会えてもらえたら幸いです。

まずは人気の高いL型エンジン搭載車から

 シンプルな構造で補修や維持がしやすいことで支持されている日産のL型エンジンを搭載する車種は、軒並み値が上がっているということはお伝えしましたが、探せばまだリーズナブルといえる範囲に留まっている車種もあります。

 その一例が日産セドリック/グロリア(430型)です。この車種は、1979年から1983年まで発売されたモデルで、2リッターのL20型から2.8リッターのL28型まで、インジェクション仕様のL型エンジンが搭載されています。

 前モデルの330型は根強い人気があり、少し価格が高めですが、この型ならまだ200万円以下でも手に入れられる可能性はあるでしょう。

 エンジンや駆動系の部品は豊富にあり、足まわりなどの補修部品もそこそこあるようなので維持もしやすいでしょう。

人気のブルーバードの穴馬モデル

 スカイラインとフェアレディZに次いで日産で人気の高さを誇るのが510型ブルーバードです。

 ほどよくコンパクトな車体に、パワフルな1.6〜2リッターの4気筒エンジンを搭載。少しコワモテの雰囲気を醸し出す顔つきなどが支持され、日本を始め北米でも高い人気を誇ります。

 この510ブルも程度やグレードによっては稀に200万円以下で売られていますが、ほとんどは300万円以上でしょう。

 狙い目はその2代あとのモデルになる「810型」です。L型エンジン(6気筒シリーズ)と同じ設計で2気筒削った4気筒のL型エンジンを搭載しているので、6気筒シリーズ同様に補修と維持がしやすいのがポイントです。

 タマ数はけっして多くありませんが、根強い人気を持つL型4気筒エンジンを堪能できるリーズナブルな車種ということでオススメします。

トヨタでは大衆車代表のパブリカがオススメ

 スポーツ系の車種の人気が高い日産車に比べ、トヨタ車はセリカやソアラ、マークIIなどのスペシャルティカー&高級車に人気が集まる傾向があります。

 そのため、ダークホース車種を探すなら、そのラインを外すことが第一になります。ずばりオススメは「パブリカ」です。

 カローラの前身で通算20万台以上を売り上げた、まさに大衆車の先駆けというべき車種です。初代は丸目2灯のカエルを連想させる愛嬌のあるデザインが魅力で、エンジンは空冷の水平対向2気筒800ccという、オートバイに搭載されるのがジャストサイズのユニットを搭載していて、十分以上に旧車らしさを味わえます。

 初期モデルのDXグレードなどは高値が付いていますが、探せば初期モデルでも200万円以下で販売されているのを見付けることができるでしょう。

 心配は補修や維持ですが、旧車専門店に相談すれば、パーツはそこそこあるようなのでなんとかなる車種だと思います。

最後はもとの価格が低めな軽自動車から

 軽自動車枠が生まれた初期のころは、排気量の上限が360ccでした。いわゆる「サブロク」と呼ばれているクルマ達です。

 もともとの価格が安いことと実用性が高くないことから、いまでも相場が低めで取引されています。

 ただし、実用性という面では期待しないでください。車体サイズはかなり小さいので積載能力は少ないですし、エンジンが非力なので、高速道路では肩身の狭い思いをするでしょう。

 それでも小さくて可愛いクルマがほしいという人にはオススメのジャンルです。

 人気の高いスバル360(てんとう虫)やホンダZ、ステップバン、マツダ・キャロルなどは200万円を越える個体も多く、なかなか手が出しづらい車種になりますが、それ以外の車種なら200万円以下で十分に探せるでしょう。

 たとえば「ホンダN360」はいかがでしょう。MINIに倣ってFFレイアウトを採用したことで、サイズの割に広い室内を実現していて実用性は低くありません。

 エンジンはホンダならではの高回転まで元気にまわるユニットで、非力は非力ですが、楽しめるエンジンといえるでしょう。

 維持についてですが、ホンダの旧車はマニアが支えている面があり、パーツの調達もその伝手を探せば何とかなるという話も聞きます。

 もうひとつはマツダの「ポーター」。シンプルな構成の商用車ベースですが、なんとも可愛らしいデザインが人気の車種で、初代はボンネットがあるスタイルでバンとトラックが選べます。

 後から追加されたシート下にエンジンが配置されるキャブオーバータイプの「ポーターキャブ」も、初期の丸いライトベゼルが付いた愛嬌のあるデザインのタイプは人気があります。

 どちらも100万円台中盤で取引されているのをよく見かけます。

 こちらの維持についてはカンタンとはいえないでしょう。ただ、中古パーツはそこそこあるようなので、ポーターに強いショップやユーザーグループを頼ればなんとかなりそうです。

 さて、200万円以下という括りで旧車をピックアップしてみましたが、気になる車種はあったでしょうか?

 基本的には維持しやすい車種は人気が高く、価格も高くなる傾向があるので、カッコ良さとの両立を求めるなら、価格の面で割り切るしかありません。

 なので、リーズナブルに旧車の魅力を味わいたいという向きには、とりあえず人気の車種は選択肢から外すことが必須となります。つまり、ある程度の扱いにくさ、維持のしにくさを覚悟しないとなりません。

 でも、いまはネットでいろいろ繋がれますので、その車種固有のコミュニティにつながったり、その車種が強いショップを見付けたりすることで、扱いにくいという部分はかなり解消できるでしょう。

 ハマればそういう仲間とのコミュニケーションも楽しみのひとつになりますので、思い切って一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

新着情報