この記事をまとめると
■東南アジアでは数多くのBEVバスが運行されている
■都内でも最近は「お試し」として中国製BEVバスを数台導入して様子を見ている
■BEVバスは車両寿命も短く導入コストも高額なのが課題とされている
今後EVバスは普及するのか
海外、とくに筆者としては東南アジアの国々へ行くと、市内を走る路線バスやタクシーにおいて、BEV(バッテリー電気自動車)を中心とした車両電動化が着実に進んでいることを実感する。とくに路線バス車両のBEV化はひんぱんに訪れるタイの首都バンコクや、インドネシアの首都ジャカルタでは急速に進んでいる印象だ。
東南アジアなどの新興国で公共輸送機関の電動化を進める背景としては、深刻な大気汚染の改善という側面がもっとも大きいようである。ちなみに日本では、路線バスといえばディーゼルエンジン、つまり燃料が軽油というのが半ば当たり前だが、海外では車両電動化以前に、ICE(内燃機関)搭載バスでは、CNG(圧縮天然ガス)を燃料としているケースが、筆者の訪れた国々では多く、世界的な主流とも聞いていた。また、新興国では、公共輸送機関車両の電動化は、原油輸入量の削減にも繋がるものとも考えているようだ。
さらには、電動化することでオイル交換などが不要となるので、動かすことに必要なものが化石燃料から電気になることで、メンテナンス面などのランニングコスト削減にもつながるという点にも注目しているようだ。
日本でも、現段階では中国系を中心とした外資車両メインで市内を走る一般路線バス車両でBEVを導入する動きが目立ってきている。ただし、まだまだ本格導入には至っておらず、まず事業者ごとで数台導入してみるという試験的導入段階の事業者が多い。
ただ、都内を中心に事業展開する某大手バス事業者でも、中国系メーカーのBEVバス車両を導入したものの、充電施設設置などの問題もあり、大量導入は難しいとされていた。しかし、東京タワー近くといった都心でも、最近はBEV路線バスが大手事業者によって運行され、ぼちぼち見かけるようになってきている。