見るからにバカッ速! グッドウッドを駆け抜けた漆黒の「スバル WRX」の正体はメーカー自ら本気で作った怪物だった

この記事をまとめると

■グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでスバル・モータースポーツUSAが「プロジェクト・ミッドナイト」を公開

■プロジェクト・ミッドナイトは670馬力にチューニングされた漆黒のWRX

■プロジェクト・ミッドナイトのビジュアルと存在感は衝撃的でその走りも相当強烈なはずだ

見た目も走りもインパクトはバツグン

 グッドウッドの略称で知られる「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」は、英国のリッチモンド公爵家が主催している一大モータースポーツイベント。毎年6月下旬または7月上旬にイングランド南部のグッドウッドで開催されている。

 で、そんなグッドウッド(通称)に今年、「プロジェクト・ミッドナイト」なる史上最速のスバル WRXが登場した。

 プロジェクト・ミッドナイトを公開したのは「Subaru Motorsports USA(スバル・モータースポーツUSA)」で、製作は北米におけるスバルのモータースポーツパートナー「バーモント・スポーツカー」が担当した。

 搭載される2リッターフラット4エンジンは最高出力670馬力/最大トルク922Nmで、レブリミットは9500rpm。それを大幅に軽量化したシャシーとオールカーボンファイバー製となるボディに組み合わせ、特別に開発されたターマック・サスペンション・ジオメトリーと、18インチのOZレーシング・スーパーツーリズモLMPマグネシウム・ホイール、そして280/650R18のヨコハマADVANスリックタイヤを採用。それらの結果、車両重量は1100kgを大きく下まわり、標準的なスバル WRXより約450kgも軽くなっているという。

「プロジェクト・ミッドナイト」の前身となったモデルは、「エアスレイヤー」との通称で呼ばれている最高出力862馬力の2020年式WRX STI。その強烈すぎるほど強烈な走りは、動画「GYMKHANA 2020 : TRAVIS PASTRANA TAKEOVER」で見ることができる。

 ラリークロス(アスファルトとグラベルを組み合わせたショートサーキットを走行する競技)で活躍したエアスレイヤーが、もしも純粋なターマック走行に特化し、なおかつ最新のWRXの形で再構成されたらどうなるか? そしてそれを元F1パイロットであり、ラリークロスのチャンピオンであるスコット・スピードがドライブしたらどうなるだろうか──というテーマで生まれたのが、今回の「プロジェクト・ミッドナイト」だった。

 グッドウッド2024のヒルクライムコースにおけるプロジェクト・ミッドナイトの激走っぷりを、海外の方が投稿していたYouTubeで見てみたが、狭いコースをどこまで本気でプッシュしていたのか(あるいはプッシュできる車両コンディションだったのかどうか)、筆者にはわからなかった。

 だが、プロジェクト・ミッドナイトの悪役CARっぽい(?)ビジュアルと存在感は相当強烈であり、前述した動画「GYMKHANA 2020 : TRAVIS PASTRANA TAKEOVER」におけるエアスレイヤーの本気走りから推測する限りでは、プロジェクト・ミッドナイトの本気の走りも(当然ながら)相当強烈なのだろう。

 その走りを、ぜひ日本のサーキットでも見てみたいものだ。あるいはお台場あたりでプロジェクト・ミッドナイトなどの強烈な箱車が走る公道レースを、小池都知事あたりが企画してくれないものだろうか?(まぁ無理だとは思いますが)


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

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