シンプル路線の「最近のホンダ車」デザインはちょっと物足りない! 黄金時代のような「個性ありき」のシンプルさがほしい (2/2ページ)

どれも同じに見えるという声が……

●シンプルデザインを目指すライバルメーカー

 皮肉なことに、それを実践しているのがライバルのトヨタです。

 やはり、一世代前は複雑なラインや派手な造形で「目立つ」ことばかりを優先していましたが、最近のシエンタ、ランクル250、プリウス、レクサスLBXなど、どれもがシンプルな造形でまとめられ、同時に明快な個性が与えられています。

 たとえば、シエンタとフリードの比較が好例でしょう。シエンタは、某イタリア車そっくり? という一部の声を別にすれば(笑)、TVCMの愛犬のようなカジュアルで愛らしい要素を散りばめながら、最終的にはシンプルにまとめられています。つまりキャラクターが立っているし、自由で伸び伸びしているのです。

 一方のフリードは、少々煩雑だった先代の面や線を整理し、後席の視界など使い勝手のよさを目指しましたが、「キレイに整える」ことが優先され、フリードとしての個性や新しさがパッと見わかりにくい。また、シエンタのような明るさや自由さもチョット足りないのです。

 ただ、初代の「箱」を極めるため独自の面質を獲得したステップワゴンや、3代目としてのテーマを明快にしたN-BOXには相応の新しさが感じられます。しかし、多くのユーザーにはどれも「最近のホンダ車」として括られてしまうワケです。

 それでも現在のホンダデザインのクオリティが高いことに変わりはなく、志の高さでは国内随一かもしれません。あとは「やっぱりホンダはほかと違うね」という新しさが加われば完璧なはずなのです。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

愛車
いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
趣味
オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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