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ハイブリッド車の燃費をさらに高める陰の立役者! 「ミラーサイクルエンジン」って一体なに? (2/2ページ)

ハイブリッド車の燃費をさらに高める陰の立役者! 「ミラーサイクルエンジン」って一体なに?

この記事をまとめると

■アトキンソンサイクルエンジンはジェームス・アトキンソンが1882年に発明した

■アトキンソンサイクルエンジンを高効率化したのがミラーサイクルエンジンだ

■ハイブリッドシステムとアトキンソンサイクルエンジンは組み合わされることが多い

4ストロークエンジンとはそもそも何か

 4ストロークのガソリンエンジンの作動原理を、オットーサイクルという。ドイツ人のニコラス・アウグスト・オットーが、19世紀後半に発明し、1877年に特許を取得した。この開発では、ゴットリープ・ダイムラーとヴィルヘルム・マイバッハが協力している。このふたりは、その後ダイムラー社でともに働く。

 オットーサイクルは、吸気‐圧縮‐燃焼‐膨張という4つの行程を繰り返すことで動力を生み出す。この4つの行程において、シリンダー内を上下するピストンの移動距離は、いずれも同じだ。

 馬力を上げるなら、排気量を増やすか同じ排気量であれば圧縮比を高くするのが一般的な手法だ。圧縮比の高いエンジンが馬力(出力)を大きくできる理由は、圧縮比の低いエンジンに比べ、圧縮に対し大きな膨張を得られるからである。ただし、あまり圧縮比を高くし過ぎると、ノッキングなど異常燃焼を生じさせる懸念がある。

 圧縮比を高くし過ぎず、それでいて、圧縮に比べ膨張行程を大きくとれるような仕組みをもつエンジンを、アトキンソンサイクルという。英国のジェームス・アトキンソンが1882年に発明した。この技術を応用したのが、ホンダのコージェネレーション用汎用エンジンの「EXlink」だ。

 ピストンを上下させるコンロッドとクランクシャフトの間に追加のリンク機構を設け、圧縮と膨張でピストンの移動距離を変える仕組みである。

 しかし、アトキンソンサイクルは機構が複雑になるので、代わりに圧縮と膨張の行程でピストンの移動距離を疑似的に変化させ、効率向上を狙ったのがミラーサイクルである。

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