RAV4・CX-5・エクストレイルの人気SUV3台を買うならドレ? 走りも装備も室内の広さもガッツリ比較した! (2/2ページ)

3モデルそれぞれの使い勝手は?

 では、室内の広さはどうだろう。

 前席については各車、十分なスペースがあるのは当然。気になるのは後席で、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準では、エクストレイルが頭上に150mm(サンルーフ装着車)、膝まわりに235mm。前席に対してかなり高めに座るシアター的居住感覚だ。着座、立ち上がりのしやすさにかかわるフロアからシート前端までの高さ=ヒール段差は340mmと十分。

 RAV4は同、頭上に180mm、膝まわりに210mm。ヒール段差は320mmと、やや低めに座るシートポジションとなる。

 CX-5は同、頭上に155mm、膝まわりに190mm。ヒール段差はかなりアップライトな椅子感覚で座われ、前方見通し性もいい360mmだ。結果、後席居住性のゆとりにつながる膝まわり空間では、エクストレイルがリードしていることになる。なお、RAV4とCX-5は2列シートのみだが、エクストレイルには3列シートも用意されているのが特徴だ。

 SUVといえば、アウトドアなどでも大活躍してくれるクルマのジャンルであり、アウトドアにもっていく大荷物の積載性も気になるところ。エクストレイルは2列シート最大565リットルの容量で、フロア奥行き920mm、フロア最小幅1090mm、最低天井高790mm。

 後席よりラゲッジルーム優先パッケージと言えるRAV4は580リットルの容量で、フロア奥行き1020mm、フロア最小幅1150mm、最低天井高805mm。

 CX-5は505リットル(床下収納30リットル含む)、フロア奥行き960mm、フロア最小幅1040mm、最低天井高790mm。

 荷物の積載力ではなるほど、ラゲッジルーム優先パッケージのRAV4がややリードする。しかし使い勝手ではエクストレイルも文句なしで、欧州車的な後席4:2:4分割も使いやすさにつながっている。※フロアの数値は筆者の実測値。

 さて、走行性能比較だが、エクストレイルのe-POWER、RAV4のガソリン、ハイブリッド、CX-5のマツダ自慢のスカイアクティブ-D=クリーンディーゼルターボであれば、どれも満足に足る走りをみせてくれて、あとは好みの範疇。が、操縦性、乗り心地、静粛性の総合評価では、さすがにデビュー年がもっとも新しいエクストレイルのe-POWERが内外装デザインを含め、一歩リードする印象だ。とくにe-4ORCEモデルのタフネスにして洗練ある先進的な走行性能は特筆に値するといっていい。

 各車のオススメグレードはエクストレイルなら制限速度が変わったときの設定速度の切り替えや、カーブの大きさに応じて減速をシステムが支援してくれるナビリンク付きプロパイロットを装備するX-e-4ORCE(2列シート)。

 RAV4は走破性重視ならガソリンのアドベンチャー、ハイブリッド狙いならPHEVとの実質支払額の比較も欠かせない。PHEVは補助金によってハイブリッドとの価格差がグーンと縮まるからだ(とくに東京都)。

 CX-5はやはり主力、人気車種でもあるスカイアクティブ-Dのクリーンディーゼルの特別仕様車、XD Retro Sport Editionがお薦め。その図太いトルクによる悠々とした走りは、デビュー年がもっとも古くても色あせていない。

 長く乗り続けたい……というなら、もっとも新しく、全方位に洗練されたエクストレイルではないか。ちなみに、エクストレイルのエンジンが3気筒……という点はまったく気にしなくていい。あくまで100%電動駆動でエンジンは発電のためだけにあるからだ。

 なお、アウトドアでAC100V/1500Wコンセントを使いたいというなら、電動車のRAV4のハイブリッド、PHEV、そしてエクストレイルの選択になる(災害時の電源供給車としても役立つ)。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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