恐怖の自動車盗難を避けるために盗まれにくいクルマを選ぶのはどうだ? 窃盗団に「不人気」なクルマとは

この記事をまとめると

■自動車盗難の被害でもっとも多いのが海外からの人気も高いトヨタ車だ

■人気モデルかつ白や黒といった人気のカラーは盗難の対象になりやすい

■軽自動車や輸入車は盗んでもあまり利益にならないので安全度は比較的高い

盗まれにくいクルマの条件とは

 警察庁が2024年6月に発表した自動車盗難等の発生状況よると、2023年の自動車盗難の認知件数は5762件。ピーク時に比べればかなり減ってきているとはいえ、2021年、2022年に続いて微増傾向となっていて、まだまだ油断できない状況だ。

 車名別盗難台数ランキングを見てみると、
1位:アルファード
2位:ランドクルーザー
3位:プリウス
4位:レクサスLX
5位:ハイエース
と上位5台はトヨタ車が独占。10位までだと、6位にスズキ・キャリイ、7位にダイハツ・ハイゼット、10位に日産スカイラインが入るほか、10台中7台がトヨタ車になる。

 トヨタ車の盗難が多いのは、市場に出まわっている数が多いのもあるが、海外で人気があるブランドであることが一番。プロの窃盗団は、盗んだクルマを海外の中古車マーケットで売ることを第一に考えているので、盗難されにくいクルマを選ぶなら、海外で人気のない車種を選ぶのが第一。

 つまり、非常に消極的ではあるが、トヨタ車を避けるのが盗難対策の第一歩。

 ボディカラーでいえば、中古車市場と同じく、白、黒、シルバーの3色は盗難に遭いやすい色で、黄色や赤など派手な色は、目立ちやすいので避けられる傾向があるようだ。

 また、盗難車の輸出先は、東南アジア、中東、アフリカ、旧ソ連諸国などがメイン。かの地は舗装路も限られているので、悪路の走破性がいいクルマが好まれる。ランクルをはじめ、SUV系は全般的に狙われやすいので、これもリストから外したほうがいいだろう。

 ハイエースなどタフな実用車も、海外で人気があるので、盗難のことを考えるなら、日産のキャラバンやバネットバンにしたほうが安心。

 そして、ハイブリッド車も全般的に狙われている。盗み出すとき、エンジンを始動せず、モーター=無音で盗み出せるメリットがあるのと、触媒に使われている貴金属「パラジウム」の価格が世界的に高騰しているので、その転売目的でハイブリッド車が狙われる傾向があるので、ハイブリッド車もパス。

 逆に比較的安心なのがオープンカー。目立つし、悪路や過酷な環境に強いとはいえないので、窃盗団にはうまみが少ない。また、EVも東南アジア、中東、アフリカ、旧ソ連諸国での需要は低いので、被害に遭いにくいと思っていい。

 軽自動車も価格が安いので、窃盗団にとってもリターンが少なく、一部の軽トラなどを除けば、安全度は高い。

 輸入車も高級モデルを除けば、わざわざ日本で盗んで海外にもち出しても、利益はそれほど期待できないので、エントリーモデルは比較的安心。

 ボディ形状でいうと、ハッチバックはあまり人気がないようで、メーカー別にいえば、ダイハツやスバルは、わりと窃盗団に人気がない。

 ただ、人気があるなしにかかわらず、オーナーにとって自分の愛車はかけがえのないもの。クルマを止めるときはしっかり施錠し、標準のハンドルロックを活用。できれば社外のセキュリティシステムをインストールし、止める場所にも気を配って、しっかり自衛することが一番だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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