9社もあるのに個性派揃いって日本国民は幸せ! 国産乗用各メーカー「推し」の声を拾ってみた (2/2ページ)

国産メーカーは個性派揃い

●三菱車推しの主張

 ランサーターボやギャランVR-4、歴代のランサーエボリューションシリーズといった、2リッター以下のハイパワーエンジンを搭載したモデルなど、生産終了から時間が経過した現在でも、無骨なクルマ作りに魅力を感じている根強いファンがいます。その一方で、デリカやパジェロのようなアウトドア志向のモデルも人気。とくに歴代デリカのディープなオーナーたちを表す「デリカ族」といった言葉があるほど。

●スバル車推しの主張

 スバルといえば「スバリスト」。そしてスバル車の魅力といえば「水平対向エンジン」と「AWD」。他メーカーへの代替率がもっとも低いのがスバル車オーナーといった説があるほど、1度「スバル沼」にハマるとなかなか抜け出せないのもスバル愛の為せる業でしょう。また水平対向エンジン独得のエンジンサウンドを楽しむため、あえて運転中はオーディオのスイッチをオフにするスバリストもいるほど。

●スズキ車推しの主張

 国内自動車メーカーのなかではもっとも歴史の長い企業といえばスズキ。ジムニー、エブリイ、ワゴンR、キャリイ、スイフトなど、さまざまなジャンルのモデルに熱心なファンがいるのは知ってのとおり。そしてスズキの魅力といえば「良心的な価格」。原材料の高騰や安全装備などの追加などの要因が重なったとはいえ、クルマの価格は年々高くなるいっぽう。そのなかでスズキの車両本体価格は安いとすら思えてしまうほど。

●ダイハツ車推しの主張

 トールやロッキーといったコンパクトカーをはじめ、ミライースやタント、ムーヴキャンパスなどの軽自動車といった実用性の高いモデルが魅力のダイハツ。そして、軽自動車としては唯一となった2シーター、オープンスポーツカーである「コペン」の生産も続けられています。商用車のアトレーやハイゼットといった、生活に密着した、使い勝手のよさを高く評価するユーザーも。

●光岡車推しの主張

 トヨタや日産、マツダのクルマをベースに改造を施し、独自のデザイン路線を貫く光岡自動車。クルマに詳しくない人が見たらかなりの確率で輸入車と見間違えてしまいそうな、どこかクラシカルで愛嬌のあるフロントマスク、それでいてベース車両は日本車という安心感が魅力。光岡自動車のクルマでしか味わえないデザインに一目惚れして「指名買い」するユーザーが多いことも特徴。

まとめ:推しメーカーがあるというシアワセ

 そのときの流行りや値引きなどの条件面でメーカーやクルマを選んでしまうユーザーがいる一方で、頑なに「このメーカーのモデルしか買わない」といったポリシーをもつ人もいます。連日の猛暑のなか、エアコン全開で渋滞に巻き込まれてもオーバーヒートの兆候すら見せません。機械としてはかなり過酷な状況に置かれているにもかかわらず、それを当然のように、しかもほぼ確実に成し遂げてしまう(整備不良のクルマは除いて)。この当たり前のことってじつはすごいこと、なんですよね。

 そんな状況でも淡々と乗れてしまう日本車のタフネスさ、機械としての優秀さは日本人としてもっと誇ってもいいのではないかという気がしています。「機械として極めて優秀な日本車のなかで、さらに推しが選べる贅沢と幸せ」。我々はかなり恵まれた環境ではないでしょうか。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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