この記事をまとめると
■35度を超えることが珍しくない日本の夏にカーエアコンは必要不可欠な装備となっている
■カーエアコンの利きが悪くなったときに疑うべきポイントがいくつかある
■カーエアコンが利かない理由はさまざまなためになるべくプロに診断してもらいたい
カーエアコンの利きが悪くなる原因はさまざま
連日30度どころか35度を超える日も珍しくないこのころは、カーエアコンはなくてはならない装備となっている。
しかし、なかにはイマイチ冷え具合が弱くなってしまっているクルマも存在している。まったく利かないのであれば完全に故障していると判断できるが、利きが弱いと感じる理由はどこにあるのだろうか?
利きが弱いと聞いて真っ先に思いつくのが、エアコンガスの減少だろう。本来、エアコンガスは密閉された配管内を循環しているため、減少することはないのだが、年式が古くなるとシール類などからごく微量のエアコンガスが漏れだし、本来のエアコンガス量を下まわる数値となってしまうことも珍しくない。
この場合、エアコンガスを補充してあげれば本来の利きが戻ってくるのだが、もしエアコンガスの減少以外にエアコンコンプレッサーの劣化やオルタネーターの劣化などで、エアコンシステム自体が本来の性能を発揮できない状態に陥っている場合は、ガスを補充しても復活しないこともある。できれば専門店でチェックをしてもらうことをオススメしたい。
走行中はエアコンが利くのに、停止すると利きが悪くなるという場合も、コンプレッサーやオルタネーターの劣化の可能性が考えられる。
また、エアコンの冷風は冷媒をコンデンサーによって冷却される液冷媒となり、エバポレーター内で気化するときの気化熱を利用しているのだが、停止中はコンデンサーに走行風が当たらないだけでなく、地面からの熱などの影響も受けるため、十分に冷却がなされずに、結果的にエアコンの利きが弱まるケースもある。
もちろんコンデンサーにもファンが備わっているのだが、このファンの劣化などで十分な風を送れないケースだと、さらにエアコンの利きが弱くなってしまうのだ。
それ以外で意外と多いのが、エアコンを外気導入で使用している場合だ。送風には外気導入と内気循環の2種類があるが、外気導入にしていると、日中のメチャクチャ熱された外気を導入していることになるため、いくらエアコンが稼働していても元が熱い空気のため、思ったよりも冷えにくくなる。
一方、内気循環の場合は、すでにある程度エアコンで冷やされた車内の空気を利用するため、エアコンが利きやすくなるというワケなのだ。
ここでは代表的なエアコンの利きが弱くなるケースを紹介したが、エアコンが利かない理由は幅広いため、なるべくプロに判断してもらうことをオススメしたい。
ただ年数が経過した車両などでは、エアコン自体は本来の性能を発揮しているものの、当時よりも日本の夏が厳しくなりすぎたため、冷却性能が追い付いていないというケースもあるのもまた事実だったりする……。