目指すは自動運転による免許がない人の近距離のアシ! KGモータースが小型EVモビリティ「mibot」をお披露目 (2/2ページ)

Made in 広島の「mibot」への期待は大きい

 KGモーターズが目指すのは「誰もが、安全に、快適に、手頃な価格で、自由に移動できる世界」であり、mibotはそれを実現する手段のひとつだと考えている。人口減少による過疎化など、地方が抱える問題には公共交通のドライバー不足もあり、そのひとつの解決策として自動運転技術の導入も検討されている。しかし、同時に利用客の減少による廃線や減便も起きており、コストをかけて導入しても採算が取れないというジレンマを抱えることになる。

 イベントのなかで楠氏が説明したのは、その解決策としての役割をmibotが担うというもの。原付ミニカー規格であるmibotの運転には、現時点では普通自動車免許が必要。だが、自動運転を実現することで、免許返納後の移動手段やシェアサービスとしての運用も可能であり、大型車両の自動運転化よりも遥かに低コストで、ひとりひとりが必要なときに好きな場所に移動できる自由を手に入れることができるという。

 予約受付を8月23日から開始するmibot。来年9月に生産を開始し、2025年中の生産を予定している300台は、東京都・広島県を優先エリアとして納車。2026年度からは年産3000台の本格量産に入り、全国の申込者へと順次納車を行っていく予定だ。

 イベントでは楠氏とともに車体開発責任者の久保昌之さんが登壇。mibotの開発エピソードをトークセッションとして披露したが、そのなかでも車体開発に当たっては何よりも安全性を重視しており、独自の衝突試験を行なっていることが紹介された。原付ミニカー規格車両では車体開発における衝突試験は必須項目ではないものの、小型モビリティ市場において、先駆者として牽引していくうえで創業間もないスタートアップ企業とはいえ、モノ作りについて妥協しない姿勢を表した。

 mibotの開発プロジェクトにあたり、KGモーターズでは多彩な経歴を持つプロジェクトメンバーを採用。大手メーカーでの車両開発の経歴をもつメンバーもおり、現在も専門分野で活躍してくれる人材を随時登用している。また、2025年の生産開始に向けて、KGモーターズの本拠地である広島県内に車体組立工場の整備も進められている。

 日本の道路事情と社会課題の解決を目指して、広島県から誕生したスタートアップ企業が開発を進める小型モビリティロボット「mibot」。今後、年内には量産車両のプロトタイプを完成させ、年明けごろを目処に試乗イベントなども行っていく予定とのこと。

 詳しい車両情報や予約方法についてはKGモーターズの公式サイト、車体開発や衝突実験など開発プロジェクトの様子はユーチューブチャンネルでも確認できる。


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