運転士は常にバスオタからの興味の視線にさらされる
ただ、運転士さんから見れば、凝視されてしまうのもかなりのプレッシャーだが、運転風景を動画撮影する愛好家も多く、運転士さんのなかにはオタシート廃止論者が多い。
そんな日本からGIIASにやってきて、このオールスターバスのオタシートを見た自称「バスオタ」の筆者は、それはもう「すごいものを見た」と感動した。事情通はその様子を見て、「こんなに喜んでもらうとは思わなかった」とあとで語ってくれた。
オールスターバスは、日本でいえばコミュニティバスサイズとなるので決して大きくないので車内も狭い。実際にオタシートに座ってみると、運転士との距離があまりにも近いことに驚かされた。筆者が運転席に座り、事情通にオタシートに座ってもらうと、オタシートからのものすごい圧のようなものを感じてしまった。仮にこのオタシートに愛好家以外の人が座っていたとしても、運転士には結構なプレッシャーになることは間違いないだろう。
車内全体を見渡すと、日本のコミュニティバスと比べると座席が目立って多いことに気がついた。もちろん展示車の座席レイアウトしかないわけではなく、購入した事業者ごとにレイアウトが選べるようになっている。
「インドネシアではできるだけ客席を多く確保する傾向があるようだ」とは事情通。この車両のオタシートに話を戻すと、一般的に進行方向に向けて座席を設ければ1席しか用意できないが、運転席に向けて設置すれば2席確保できるというロジックでこのようにレイアウトされたと見たほうがよく、けっして愛好家のためのレイアウトではないようだ。
筆者も日本では好んでオタシートに座っているが、常時運転士を見つめるように座るこのオタシートは座りたいと思う反面、はたして乗車中ずっと運転風景を見続けることができるかという不安な気もちにもなってしまった。